人気ブログランキング | 話題のタグを見る
現場
先日のエントリーで、おかんの入院に際して感じた、大きな病院を取り巻く人手不足や諸問題、現場のお医者さんや看護師さん達の大変さや、その奮闘ぶりに対する感謝の気持を書きましたが、この方もこういう事を仰っていたのは、偶然とは言え、何か感じ入るものがあります。

安心して産める社会に=「誰も責める気ない」−死亡妊婦の夫が会見

こういうニュースは通例ならマスコミが興味本位で“たらい回し問題”や、医師や看護師に直接バッシングの鉾先を向けて、場合によっては遺族側が訴訟に出て泥沼化する。
そして、それを尚もマスコミが“おいしいエサ”として偏った報道で煽り立てるってパターンになりそうなもの。

けどこの方は、“たらい回し”や“受け入れ拒否”そのものが真の問題ではなく、それを生み出してしまう現在の医療を取り巻く環境や諸問題、国の対応や制度の不備にこそ問題があり、そこを正してほしいという旨を仰ってるんですよね。
こういった問題や、医療事故やミスは本来は絶対あってはならない事ですが、今の医療の抱える問題はそれが起きてしまう可能性を増長させているだけなのかも知れません。

この方の場合、不幸にして奥さんが亡くなってしまったと言う、厳しい現実がありながらも、こういう事を発言出来るという事、現場で懸命に働く医師や看護師に対し、感謝出来る気持を持てるという事は、中々できる事ではありません。



一方で、自分的にどうにも釈然としなかったのは、例の“パンを詰めて亡くなった子供”の両親。

いや、亡くなった事は気の毒だと思うし、両親にしてみれば怒りの鉾先を学校に向けたくなる気持も分らなくはないけど、正直あれはむしろ学校側に同情しちゃいますよ(^^;

ハッキリ言って“ああいうバカな事”は子供は本来やってしまう生き物な訳で、私らが子供の頃もあれに類する事はやった憶えがあるし、一旦放課後になってしまえば、それこそ今から思えば“よく死ななかったなぁ”なんて危険な遊びもいっぱいしてきましたよ。
しかも、そういう事は子供は大抵大人達の目の届かない所でやるもんです。

今度の事故の場合、給食中という先生の目のある所で起きた事に責任を問ってるって部分はあるのでしょうが、それにしたって先生や学校が悪いっていうのは、やはりちょっと違うと思うのですよ。
もし、あの事故が帰宅途中にコンビニで買ったパンで起きたなら、あの両親はパンを売ったコンビニのアルバイト店員を責めるのでしょうか?

むしろ学校に対し“ウチのバカ息子が御迷惑かけました”って言うなら、世間の心象も変わったと思うのですがねぇ・・・
by yaskazu | 2008-10-28 23:54 | 社会 | Trackback | Comments(5)
Commented by Tannan at 2008-10-29 00:22 x
こんばんは。
遺族の方々はお気の毒でしたが、報道の誘導に載らず冷静な態度をとられたことには救われた気分です。
それにしても病院に対して「受け入れ不能」ではなく、エゴイズム的なニュアンスがある
「受け入れ拒否」という言葉を使う報道はなんなのかな・・・と思ってしまいます。
おまえらはそんなにイ○ド化を進めたいのかと(嘆)
Commented by tomoko at 2008-10-29 13:32 x
 責任て、誰にどこまで求めるべきなのか考えさせられる事件ですね。冷静な対応をしていた妊婦さんのご主人には本当に頭が下がります。
 自分の身内に同じようなことが起こったときに落ち着いて考えられるか、と言われればなんともいえませんが。どこにも持っていけない運不運というものはある、ということは私の場合息子の件で思い知らされましたしね。
Commented by tomoko at 2008-10-29 13:34 x
遅ればせながら、お母様退院おめでとうございます!
Commented by yaskazu at 2008-10-29 23:26
>Tannan様
>>「受け入れ不能」ではなく、「受け入れ拒否」という言葉
おっと、私も思わず使っちゃってますね、反省反省(^^;

やはりね、マスコミは事ある毎に何かと“もめ事”に誘導したがる向きはありますからね(それが彼らのメシの種なんだから当然なんでしょうけど・・・)
それに乗せられないで、客観的に見る目を持っていたいものです。

それにしてもTannan様はイ○ドがお気に入りでなんですねぇ(^^)
Commented by yaskazu at 2008-10-29 23:35
>tomoko様
先ずは労いのお言葉、ありがとうございます。

責任の持って行きどころは、本当に難しいところだと思います。
遺族の立場で考えれば、とかく直接関わる現場に鉾先が向いてしまいがちだし、その気持もよく分かる。
けど、そこで決着をつけてしまおうとすると、結局本当に責任を追求しなければならない者が見えなくなってしまうのですよね。

もし、自分の身内が同じ目に遭ったら・・・理屈では分かっていても、やっぱり怒りを直接現場にぶつけちゃうかも知れないなぁ(^^;

そう考えれば、やはりあの御主人はとても立派だと思うし、頭が下がりますね。
<< ティガ おかげさまで >>