先日購入した、SHフィギュアーツの“仮面ライダークウガ・アルティメットフォーム”の紹介を、遅ればせながら。
元々この商品、去年の今頃に出たものの再販で、当時店頭で見て中々の出来の良さに、欲しいと思いつつ買い逃してしまったのですが、今回の再販では時期的にちょうどCSの東映チャンネルで放送してきた「仮面ライダークウガ・超古代語対訳版」で、クライマックス時期と重なってしまったため、半ば衝動買い的に買ってしまいました・・・(^^; パッケージはこんな感じ。 人気のある商品なのか、例によってバンダイさんが出荷数を調整してるのか、私が買った近所のトイザらスでは、朝入荷して私が買った分を含め、その日のうちに売れてしまったらしく、翌日にはもうありませんでした。 ・・・・こういう状況がタチの悪い“転売屋”を潤わせるんだよなぁ、多分。 オプションパーツはこんな感じで、黒目のフェイスと手首パーツ各種。 写真ではよく分かりませんが、目はちゃんとクリアのスモークブラックになっています。 改めて再販したのだから、最近の例にならって、発火エフェクトのパーツとか、追加でつけてくれてももよかった気がするけど、そうすると値段上がっちゃうか(^^; 前面。 漆黒のボディに走る金色のモール状のラインが実に美しく、クウガのモチーフである“クワガタ虫”を、最も強く連想させるフォームだと思います。 背面。 祖体のボディを含め、原型や金型をほぼ全面的に新規に作ったようで、他のクウガのSHF商品の金型流用は手首関連くらいかな? プロポーションは、劇中のイメージに極めて近くなり、特にお尻とか、太腿とか、クウガを演じた富永研司さんのそれを、よく再現してると思います。 以下、続きます。 再販商品でもあり、商品レビュー的なものは他にも沢山やっておられるので、自分は東映チャンネルで、改めて観た「クウガ」の感想と絡めて、書いてみたいと思います。 劇中では本来はなってはならない姿、使ってはいけない力といわれていますが、個人的に、クウガの中では一番好きなのがアルティメットフォームです。 理由は、単純にカッコイイからってのも勿論あるんですが、元々その力の根源を敵側と同じ所に持つ、言わば本来悪と同じ存在であり、それを極めていく事はその悪により近づいてゆくことをも意味する。 それでも、自分の成すべき事を成し遂げるため、我が身も顧みず、敢えてその力を使って、みんなの笑顔を守るため、自らの笑顔を涙に変えて、戦う事を決意する。 これって、正に“仮面ライダー”という存在の原点であり、本質そのものだと思うのですよ。 雷(いかづち)の如く現れる凄まじき戦士と呼ばれるように、ある種の“禍々しさ”を感じさせるその姿は、広い意味で“旧1号”と通じるものがあり、そう意味でも、“仮面ライダーの本質”を現した姿という捉え方もできる、それが私がアルティメットフォームが好きな理由なんですね。 一条さん・・・俺、なります。 EPISODE47「決意」の、雄介のモノローグと共に立ち上がる、凄まじき戦士のイメージシーン。 これ写真は、カメラ位置が劇中とは違っているのですが(本来はもっと正面から)撮ってみてこの方が絵面的に“収まり”がよかったので、こっちにしました。 こういう“しゃがみ込んだ”ようなポースが出来るって、近年のアクションフィギュアの進化を感じずにはいられないんだけど、これもバンダイさんが“ガンプラ”で培った技術が生かされてんでしょうかね? “最強形態”と言われながらも、アルティメットフォームは“静”のイメージ。 実際、劇中でこの姿で戦ったのは、EPISODE48「空我」のラスト数分のみで、それもダグバ同様“手をかざしただけで”双方の身体をを炎に包み、互いに変身の要であるベルトを破壊された事で、共に人間の姿に戻り、あとはそのまま、血みどろになりながらの、拳でのひたすらの殴り合い。 “ヒーロー物”の、最強形態での最終決戦としては、異例というよりも、むしろ“異様”な光景が繰り広げられる、前代未聞のクライマックスシーン。 でもそこには、作り手側の、この作品に込めた強いメッセージが込められていたんですね。 仮面ライダーといえば、昭和も平成も通じて必殺技は“ライダーキック”ですが、そんな訳で実際アルティメットフォームがキックを放つシーンはありません。 まぁ、手をかざしただけで相手を炎上させるようなエネルギーを秘めているのだから、フルパワーでキック放ったら、決戦の場となった九郎ヶ岳一帯丸ごと消滅するような、それこそ核爆発クラスの大爆発起こしてたかもしれませんね(^^; 黒い目のアルティメットフォーム。 戦士クウガの、その心が強い怒りと憎しみに支配されてしまった時現れる、ダグバと同様の存在、究極の闇を齎す、なってはならない姿。 本来“凄まじき戦士”とは、この心が憎しみの闇に支配され、目までも真っ黒に染まった姿を指すものでした。 それを五代雄介が、その強い意志と、本来争い事を好まない優しい心で、その究極の力だけを引き出して変身したのが、赤い目のアルティメットフォームだったんですね。 それでも、例えそれが正しい心で使う力だとしても、例えそれが邪悪な存在から人々を守るためのものだったとしても、どんな大義名分を立てても、ヒーローの行いも強大な力も、結局は暴力でしかないのではないか? 暴力に対し、暴力で対抗しても、所詮そこには何も生まれない、虚しさしか残らないのではないか・・・ そんな“提議”を問いかけていたのが、EPISODE48のあのラストシーンだったのでしょう。 正と邪の戦いも、人間同士の殴り合いも、所詮は同じ暴力でしかない・・・ だからこそ、アルティメットフォームの劇中での扱いも、ああいうカタチになったのだろうと、「クウガ」EPISODE48本編を再見して、改めて思いました。 まぁ、その分「ディケイド」版の“小野寺クウガ”は、結構お気楽にアルティメットフォームにもなってたし、すぐに黒目にもなっちゃってた上に、更に強い(らしい)ライジングアルティメットとかにもポンポンなっちゃってましたけどね(^^; でも、小野寺クウガの「悪魔を倒すためなら悪魔にだってなってやる!」っていうのも、オリジナルを敢えてアンチテーゼ的な方向から描く事で、オリジナルの本質を別角度から見直すという作劇法をとっていた「ディケイド」という作品の視点から見れば、それはそれでアリだし、それもまたひとつの、別の回答だとも思います。 それを踏まえた上で見れば、オリジナルの「クウガ」の提議は、逆に回答のない、永遠の問いかけなのだということ・・・簡単に答えなど出ないものだからこそ、考え、問いかけつづける事に意味があるということを、訴えてる事に気づかされます。 この“深さ”が、いまだに「仮面ライダークウガ」と言う作品が支持される、大きな理由のひとつかもしれません。 クウガの、五代雄介の象徴といえば、やっぱりサムズアップ。 けど、これまで書いてきたような事を踏まえて考えれば、仮にあの時、本来のヒーロー物的なカタチで、クウガがダグバを斃して勝利する展開になったとしても、五代はこの“凄まじき戦士”の姿で、サムズアップをしただろうか?、する事を良しとしただろうか?・・・ ふと、そんな事を考えてしまいました。 同じSHFクウガのマイティフォームとの比較。 身長もボリュームも圧倒的にアルティメットフォームの方が“デカイ”ですが、造形的には言うまでもなくアルティメットの方が本物に近いです。 けど、プロポーション的にはマイティもアルティメットも、実は殆ど変わらない(“中の人”が同じだから、当然)はずなんで、出来ればマイティ含めた他のフォームも、アルティメットに合わせて再製品化してもらえないかな?(無理ですか、そうですか(^^;) そんな訳で、SHフィギュアーツの“仮面ライダークウガ・アルティメットフォーム”でした。
by yaskazu
| 2011-11-20 00:07
| 日々の戯れ言
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Comments(2)
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クウガすき
at 2012-01-13 22:33
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アルティメットクウガは再販であって新発売じゃないから
もし仮に新たにエフェクトパーツなんて付けようもんなら 相当たたかれるでしょうね。 よって有り得ない。それじゃ再販じゃなくて別商品だもの。 しかしエフェクトパーツが欲しい気持ちはよく分かります 同じフィギュアーツの投げ売り商品にワンピースの エースってキャラがいて、それに付属してる 炎エフェクトパーツなんかが良い感じですよ あと、黒目顔パーツの複眼がクラックしてる ものがあるので注意です。 もししてたら、とりあえずサポートに電話です。 初版には起こらない再販品の方の仕様らしいですが。
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yaskazu at 2012-01-14 21:22
>クウガすき様
なるほど、確かにその通りかもしれませんね。 ただ、オプションのマイナーチェンジとか、若干の仕様変更での商品化っていうのはない話ではないし、そんな風にしてくれたら嬉しいなぁって程度の話なんで、自分も本気でそうしろと思ってる訳ではありませんので、与太話の範囲として、ご理解願えれば幸いです(^^; あと、自分の購入したものは、黒目の部分の不具合は見受けられませんでした。 個体差によってそういうものが出てしまうのは、大量生産品である以上はある程度避けられないことですよね。 自分は手に取って調べられる状況なら、パッケージの上から判断できる部分だけでも、できるだけ目視で見極めるようにしています。
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