先頃放送された、ドラマ「相棒 season9」の第8話「ボーダーライン」という回が、ネットを中心にかなり大きな反響を呼んでいる模様、というのは、先日も触れた話。
実際、内容を詳しく書いた訳でも、ちゃんとした感想を書いた訳でもないにも拘わらず、当ブログにもこの回に関するキーワード検索で、相当数の方が来られていたようでした。 それは、この回で描かれた、現在のシビアすぎる雇用情勢や、社会の構造に翻弄された“柴田”という男の、人生の終焉までの描写がリアルすぎて、演じた山本浩司という役者さんの、鬼気迫る演技も相俟って、あまりに切なくて身につまされて、耐えられないほどの“痛み”として、我が身の事のように、強烈に伝わってきたからというのがひとつ。 そして、彼がそこに至るまで追い込まれてゆく過程が、まるでドキュメンタリーかの如きリアリティで、実に緻密に描かれていて、彼と同じような思いをした事がある層と、ネットユーザーの中心層が、ちょうど同じ位の世代だったからじゃないかと思います。 ただ、彼のその哀しい人生に感情移入し、つい彼の視線や立場に立って考えてしまうものの、実はこの物語は、別の視点で考えなければ、本当のテーマのようなものは見えてこないんじゃないかという気が、個人的にはしています。 それらも含め、以下もう少し詳しく・・・(例によって、バカ長いです) 先ず、柴田氏がどういう経路を辿って死に至るかを、少し追ってみる事にします。 ただ、この回ビデオ等に録っていた訳でもないし、既に1週間が過ぎているため、記憶がかなり曖昧な分、時系列等、色々間違っている部分があるかもしれませんが、そこはご容赦。 いわゆる就職氷河期の時期から、バイトや派遣で食いつないでいた彼が、将来の正社員採用を約束に、非正規雇用で働いていた会社を、景気悪化を理由に解雇。 その後紹介された別の派遣先は、社員寮付きを謳っていたため、それまで住んでいたアパートを、私書箱だけ残して引き払ってまで飛びついたものの、実際にはそんな話は最初から存在せず、会社自体もいわゆる“ブラック会社”だった。 確か、ここに至るまでの時点で、兄に援助を求めるものの良い顔をされず、自身も兄を気遣う気持やプライドから、断念。 そして、事実上の失職者となった事が原因で、恋人とも婚約破棄されてしまうんでしたっけ。 その後、ネカフェ難民化して日雇いを続けながら、相談に行った役所の担当者に奨められ、その僅かばかりのお金をやり繰りし、就職のために医療事務の資格を頑張って取得するものの、実務経験がない事を理由に、断られる日々。 資格がなければだめと言われて必死に取った資格が、実務経験がないからだめだとか、その経験を積む機会すら与えてもらえないとか・・・ この辺りまでの経緯、実は私も少なからず実体験があるので、胃が痛くなるくらい、もの凄く分かります。 じゃあどうすりゃいいんだって、もうね・・・・絶望しますよ、ホント。 その頃、医療事務の資格収得の勉強していたのを見られていたのか、ネカフェで無免許の怪しい古物商の男に、費用は出すからとおいしい話を持ちかけられ、すがる思いで古物商の資格を収得するものの、この話自体が、持ちかけた男が不法な商売を続けるため、柴田氏の“名義貸し”を目的としたものでしかなかった。 その後、それが“悪い連中”に目を付けられる事となり、犯罪と知りながらも生きていくために、次々と名義貸しにズルズル手を染める事になるものの、いつしかそれさえも立ち行かなくなってしまう。 そうこうする内、借りていたレンタルコンテナの中で、寝泊まりしていた事がバレて、契約違反としてそこも追い出されしまい、住むところも失ってしまう。 いよいよ追い詰められた柴田氏は、先の役所の担当者に、生活保護を願い出るものの、65歳以上でないと受けられないし、まだ若いんだから頑張って仕事を探しましょうと、断られてしまう。 実はこれ自体が虚で、生活保護に年齢制限がある訳がないし、彼のような状況なら、最低でも申請だけは可能なはず。 要はこの担当者が、自分の仕事に忙殺されてる事や、生活保護者を出来るだけ増やしたくない理由から、言葉巧みに門前払いしちゃったんですね。 ついには、スーパーや商店街の試食コーナーを渡り歩く日々を続ける中、顔を覚えられたある洋菓子屋の若い女性店員の、“ちょっとした意地悪”から発せられた「次は買ってくださいね」のひと言が、彼の最後の自尊心までをも決定的に傷つける事になり、試食品の全てをわしづかみにして、その場を逃げ出すように走り去ってしまう。 更に、私書箱として使用していた、最初に住んでいたアパートの部屋に、新しい入居者が入った事で、就職活動に必用な“住所”をも失ってしまい、行き場を失ってとことん追い詰められた彼は・・・ 就職のために取得した、医療事務資格の勉強の過程で学んだ知識で、自らの身体に包丁で“防御創”を装った切り傷をつけ、そのままビルの屋上から後ろ向けに飛び降りるという、“他殺を装った自殺”を決行する柴田氏・・・ この一連のシーン、山本浩司氏の演技がもはや演技の域を越えていて、自らに斬りつける時の身体の痛み、心の痛みが、切なくて苦しくて、正視できないほどの“生々しさ”を持って視聴者に容赦なく迫り、その後屋上から身を投じるに至っては、文字通り“身に積まされる”思いで、胸を掻きむしられる如き感覚で、視聴者は彼の最期を目の当たりにする事になります。 彼は何故、他殺を装った自殺を行う必用があったのか。 それは、劇中で右京さんが推理したように、自分が社会に殺された事を訴えたかったからというのもあるでしょうが、だったらわざわざ他殺を装う事も無かった気もするんですよ。 彼が他殺を装ったのは、もし単なる自殺だったのなら、結局自分は世間に負けて自らの命を絶った事になる。 いや、事実そうなんですが、そんな負け犬な自分を認めたくないという、彼の最後のプライドみたいなものが、そこにあったのではないかと、自分は感じています。 この辺りを明確にしなかったのは、そこの部分にこそ考えて欲しいものがあるという、作り手側の“意図”があったのかも知れません。 彼は勤勉で、真面目で、基本善人で、仕事に就く事にも、生きていく事にも、前向きだった。 多少暗い印象は受けるものの、恐らくそれは彼がおかれてる過酷な環境からくるものだったのでしょう。 にも拘らず、現代の雇用情勢や社会構造、都会の人間関係の波に呑まれ、不運が偶然重なったというよりは、むしろ必然的に、なるべくしてなったと言った方が正しい気がする。 そこがこの物語の恐ろしいところであり、その描かれ方も“創り事”とは思えない、正に今の時代を、綿密に取材したドキュメンタリーのようなリアルさを持っていた。 明日、自分が柴田氏と同じような目に遭う可能性に震え、現実に似たような経験をした人間は我が身の事として受け止め、他人事とは思えずに、いたたまれなかったという人が多かったようです。 てか、あれを他人事や絵空事に思える人って、よっぽど幸せな人か、人の痛みの分からない人でしょうね(^^; けどね、もう少し別の視点や立ち位置で見てみると、また違った見え方もしてくるんですよ。 そして、そこにこそこの回のテーマというか、本質のようなものが隠れてる気がします。 よく、選ばなければ仕事なんて幾らでもあると言う人がいます。 それは確かに一理あるんです(私もそう思う) けど、柴田氏は選ばずに行った先々が“とんでない会社”だった訳で、これは誇張でもなんでもなくて、誰でもウェルカムOKって会社は、程度の差こそあれ概ね“あんなもん”です。 自分は、他人に対してそんな無責任な事を言わないと断言できるのか? 自らが生きてゆくため、そういう“とんでない会社”に入り、他人を食い物にする側の人間にならないと、言い切れるのか? この不況で苦しい世の中、自分も家庭を持っていれば、弟の難儀に対して手を貸す事を渋った兄の事を、もし自分が兄の立ち場ならと考えた時、責める事ができるのか? 苦しい時こそ支えてあげるのが恋人なんじゃないか・・・と、ドラマ的に見れば思うかも知れないけど、30歳を越えたカップルが、将来の目処が立たないお先真っ暗な状況で、そんな奇麗事を言ってられるのか? 彼女の立ち場からすれば、むしろあの状況での婚約破棄は、当然の事ではないのか? 対応の不備はあったかも知れないけど、不況の中で増える一方の生活保護の申請を、それこそ彼が口にした65歳以上という、事実上働けない層を優先順位として先に捌かなきゃならかったろうって事情は、無視していい事なのか? 確かに嘘は許されないけど、もし自分があの職員なら、どうしていただろう? あの試食コーナーのお姉さんも、自分が言うように“意地悪”な気持はあったあろうけど、それは“悪意”と呼べるほどのものではない。 むしろ、店員としてはホンネとして“たまには買ってよ”と思うのは、当然の事ではないのか? 柴田氏の事情を全く知らない彼女は、自分のひと言が彼の決意の“引き金”を引く事になるなんて、思いもよらない事だったろうに・・・ 元の住人が私書箱を残している事など、新しい入居者が気遣う必用なんてない訳だし、アパートの持ち主としても、空き部屋の借り手が現れれば、貸すのは当然の事。 そう考えれば、実はこの人たちには、罪とまで言えるようなものは何もなく、誰も責任と呼べるほどのものはないんですよ。 それでも、現実に彼らの言葉や行動が、1人の人間を死に追いやってしまったのもまた、変え様のない事実なんですよね。 そう、自分らは柴田氏だけでなく、彼を死に追いやった側の人間になる可能性だってある。 どっちの側の立ち場になるかは、それこそその時の成り行き次第であり、紙一重。 柴田氏の辿った道は、確かに気の毒なんて言葉では片付けられないほど悲惨で身につまされるけど、その真面目さ故に自ら負のスパイラルに陥っていった面もある気がします。 彼がああいう死を選んだ事で、それに関わった人達は生涯の十字架を背負わされたようなもので、それこそ、あの店員のお姉さんなんて、殆どとばっちりみたいなもんです。 柴田氏が、どこかで違う選択肢を選んでいたら・・・・ 彼を取り巻く人々の誰かが、違う選択肢を選んでいたら・・・ 少なくとも、この最悪で悲惨窮まりない結末は、避ける事ができたんじゃないか? その部分から目を逸らしてしまうと、右京さんの言った「どちらかが手を伸ばしていれば」が、本当の意味を持ってこないと思うのですよ。 言わば、皆が被害者であり、加害者でもある。 この回の、堪え難い“後味の悪さ”の正体は、実はその辺にあるんじゃないかな? あと、ひとつだけ・・・ この回では、右京さんと神戸君は、柴田氏の死の真相を後から辿るだけで、事件そのものには全く絡んでいない、完全な傍観者として描かれています。 傍観者だからこそ「どちらかが手を伸ばしていれば」という、客観的な言葉が許されるという構造になっている辺りの構成の上手さは、流石だと思います。 ただ、その言葉の裏には、もし自分達がもっと早い段階で・・・例えば、右京さんが犯罪は犯罪だと切って捨てた“名義貸し”に柴田氏が手を染めていた頃に、この事件に関わっている事が出来たら、悲劇は避けられたかも知れないって意味も含まれてるんじゃないでしょうか。 手を伸ばしてれば良かった“誰か”の中には、実は自分達も含まれていて、右京さん達は実はそれを悔やんでいる。 ただ、亀山君ならともかく、右京さんと神戸君は決してそれを表に出すようなキャラクターじゃない。 だから、右京さんは何も言わずに神戸君を花の里に誘い、神戸君も“温まりたい気分”と言って、ついてゆく。 この回のこのラストシーン、ここが一番普段の「相棒」らしい空気があって、少し気持が和らいだ気がします。 普段はドラマの感想とかはあまりやらないし、「相棒」をちゃんと扱うのも初めてでしたが、この回だけはどうしても触れておきたかったので、思いを書き記してみました。
by yaskazu
| 2010-12-22 20:45
| ドラマ
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Comments(23)
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ひろ
at 2011-01-26 08:31
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再放送でこの話をみました。 正直ショックで泣いてしまいました。
でも落ち着いて考えると、誰が悪いのか分からない 自分も気をつけないと…と思います
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yaskazu at 2011-01-26 22:32
>ひろ様
確かに泣きたくなるほどショッキングな話でしたね。 この回で間違いなく“悪”と呼べるのは、柴田氏を最初から利用する目的で近づいた古物商の男や、名義貸しを持ちかけてきたヤクザ関係者くらいで、あとは実は誰も悪くないと同時に、実はみんな悪いとも言える、その境界線・・・文字通り“ボーダーライン”が曖昧なところが、一番のポイントなんですね。 そのポイントの部分を、例え正解がなくても考える事、そこが一番大切な事だと思いますよ。
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アポロン
at 2011-03-25 21:41
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『相棒』から偶然とんできました。
ボーダーラインを考え、思いを馳せ、行動することが人としての『思いやり』に繋がるんでしょうね・・・
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yaskazu at 2011-03-25 22:05
>アポロン様
初めまして。 >>行動することが人としての『思いやり』に そうですね、なにかひとつ、越えてみるべきボーダーラインを見極め、行動する事が大切なのかもしれません。 今度の震災で、自分にできる事が何かを考えられた方も多いでしょう。 無理をする必用はないけれど、自分ができる範囲をのことをちゃんと考え、行動してみるのも、良い事かもしれません。
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足跡ペタリ
at 2011-10-28 22:44
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こんばんわ。
何気なくググッてこちらにたどり着きました。 自分は当時、家族と観ていたのですが、番組の終盤、柴田氏が自分のかつてのアパートを見つめ、すすり泣きながら試食品のドーナツを貪るシーンでとうとう我慢できず号泣してしまいました・・ 自分も就職氷河期の柴田氏と同世代だったもので、尚更共感してしまい^^; ともかく、脚本も山本浩司さんの演技も凄まじかったです。
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yaskazu at 2011-10-29 00:23
>足跡ペタリ様
初めまして。 仰る辺りのシーン、確かに鬼気迫るものがありましたね。 同じ世代、同じような経験をした事がある人間は、あの回はとてもフィクションには思えなかったし、他人事には感じられなかったしょう。 私も、世代こそは違えど、少なからず同様の経験はしたことがあるので、身につまされる思いで観ていました。 この回は、何年後にも語りぐさになっていくでしょうね。
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関西では昨年の年末再放送
at 2012-01-02 08:07
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関西ではよりによって昨年の年末に再放送されましてなんて朝日放送は意地悪なんだろうと正直思いました年が明けてもこの重さは忘れません
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yaskazu at 2012-01-02 21:41
>関西では昨年の年末再放送様
コメントありがとうございます、便宜上“様”をつけさせていただきますね(^^; 確かに、関西でも年末再放送されたようで、翌日はまたアクセス数が上がっておりました。 仰るように、なにもこの時期に放送しなくてもよいだろうと思いますよね。 いつか、この回が「この頃はこうだったね」と過去形で話せる日が、くるといいですね。
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亀山と申します
at 2012-02-13 00:19
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私は新潟出身で現在57歳の男です。
「相棒」「ボーダーライン」の検索でこちらにお邪魔しました。 私には一人息子がおります。現在30歳です。 この作品を見てすでにだいぶ日は経ってはいますが、私には 日を増す毎に心に残って日々思い出される作品になっています。 実際、見た当日は大変、悲しくあまりも辛い現実を見ているようで、 私も声を出し号泣してしまいました。 親の立場で見ると、とてもじゃないが、今すぐ自分の命を 賭して「息子」を助けたい、と思いました。 息子は、今、「正社員」ではありますが、これとて どれほどの「普遍性」が保証されてはいません。 どの立場の人も明日をも知れない、(役人と政治家を除き) 明日は我が身と身につまされる作品でありました。 主人公「柴田」さんはいつ自分のことになるかわかりません。
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yaskazu at 2012-02-13 20:26
>亀山様
はじめまして。 親御さんのお気持ちとして、心中お察し申し上げます・・・と、独身で子供もいない私が申し上げるのもおこがましい話ではありますが・・・(^^; 仰る通り、今は年齢も性別も経歴も実績も、何の関係も無く明日が突然閉ざされてしまうような、非常に世知辛い世相だと思うし、それがあまりにもリアルに描かれていたからこそ、未だにこのエピソードが語りぐさになっている理由のひとるなのでしょう。 この話、私の記事の文中にも書いたように、誰もが柴田氏の立場になり得ると同時に、誰しもが彼を死に追いやった側の立場にもなり得るって事、ここが最も重要な点だと、私は考えています。 だからこそ、自分がどの立場に立ったとしても、相手に手を差し伸ばせられる心を持てる人でありたいと、そう思っています。 それが、一番難しいことではあるんですけどね。
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ま
at 2013-03-07 22:16
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昨日の再放送でボーダーラインをやっていました。
衝撃的な内容にショックを受けたままこちらのブログに辿り着きましたが、落ち着いた言葉で解説していただきショックがやわらぎました。 ありがとうございました。
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yaskazu at 2013-03-08 22:05
>ま様
こういう内容のものは、映像媒体であれ、文章媒体であれ、感情的、主観的に語ってしまいがちで、自分もついそういう方向で語ってしまうことも多々あるのですが、それだと作品の本質を見落とすことが多いんですよね(^^; 故に、出来るだけ客観的、冷静に考察しようと心掛けてるのですが、それがお役にたてたのなら、私としても嬉しい限りです。 あるだとうございます。
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まるぱん
at 2013-10-09 02:13
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韓国からの「相棒」大ファンです。
きのう何気なくGoogleで「相棒」検索してwikiをみたら、この 「ボーダーライン」が貧困ジャーナリズム大賞を受賞したことが書かれており、また興味が沸いてきたのでもう一度観てみました。 前に観た時なんかはノートパソコンをテレビにつなげリビングで観たのですが、今回こんなおそい時間に部屋でひとり観てみたら、話の痛さや悲しさなどがより強烈に伝わってきて、ぞっとしました。 でもそれは視聴した場所や時間帯の問題からだけではなく、初見の時とは違ってもっと自分の未来について考えるべきである歳になり、自分を劇中の柴田と重ねて見ることができたからなのかも知れません。僕の住んでいる韓国にも似たような問題があり、派遣社員(ここでは「非正規職」という用語を主に使いますが)の処遇などが最近ずっと話題になっていることもあって、いろいろと思いを馳せらせる物語でした。
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まるぱん
at 2013-10-09 02:19
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観終わってからずいぶん経っても心に残るものがあり、「相棒 ボーダーライン」というキーワードでまたぐぐって色んな方々の感想を読みました。読ませていただいたいくつかのレビューの中でも特にすばらしいと感じたのがこれで、ちょっと感謝の言葉でも書いておきたいと思いこうやってコメントを書き始めました。
とにかく、上のコメントで他の方がおっしゃったように、ここにはただの感想だけじゃなく一種の解釈も含まれていて、観ていながらも気づかなかった部分についてもっと考えてみるきっかけとなりました。とてもいいレビューだと思います。 「例によって、バカ長いです」との言葉がありましたが、確かに長い文でまだ日本語を勉強している途中の自分としては読むのに多少苦労をしましたが、内容がとてもよく、最後まで一気に読み通してしまいました。ありがとうございます。 書いてるとどんどん内容が増えていって自分でも制御できなくなってしまい、おかげで500字以上内容オーバーしたとのことで二つに分けて送信することになりました。このコメントこそ「バカ長い」ですね、ほんと。
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yaskazu at 2013-10-09 22:01
>まるぱん様
はじめまして。 拙い文章をお褒めいただき、感謝と同時に、恐縮すること頻りです(^^; 日本だけでなく、韓国の方も、社会の情勢や世相は同様なのですね。 自由の国と唱われる大国アメリカも、貧富の差や失業者、未就業者の問題は深刻のようです。 そう言うリアルな社会問題を背景にした映像作品は、時にこういう際立ったものを生み出すことがあります。 お互い何かと大変でしょうが、しっかり見据えて、生きていきましょうね。
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早希ちゃん
at 2014-05-23 17:52
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こんにちは
あなたのボーダーラインの感想読むと、「なるほど。」ともいえますが、唯一、「こいつらだけは外道極まりない!」なのは、恋人と福祉職員です。私が恋人だった場合の「あなたならどうしますか?」の答えはズバリ「彼を信じて待ちます」です。捨てません。福祉職員の場合、風上にも置けず、呆れて物もいえません。恋人と福祉職員にとって、彼と仕事は、その程度のものだったのです。本気で愛している、慈悲を持って仕事をしているのならそんな事いいません。このたった1人と1つの支えがあれば、思い止まったでしょう。
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yaskazu at 2014-05-23 21:44
>早希ちゃん様
はじめまして、でよろしかったでしょうか? お見受けしたところ、なかなかまっすぐな正義感をお持ちのようで、羨ましい限りです。 あなたのような方が、一人でも柴田さんに関わっていれば、彼は死ななかったかも知れません。 そして、それこそがこの回の訴える部分の、ひとつでしょう。 現実世界では、立場によって、人は自分の思う通りの行動ができないなんてこともあります。 あなたの、このドラマを観て感じた、その“素直な感情”を、忘れずにいてくださいね。
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早希ちゃん
at 2014-05-24 15:22
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こんにちは
文字数制限があったので追加します。 柴田さんも受け身だけでなく犯罪ごとに巻き込まれてしまった時に勇気を持って110番に電話して自首し、悪徳集団を捕まえてもらい、彼の方は感謝と情状酌量で刑は軽くなるでしょう。 そして、釈放までに再就職先を用意してくれてるのも日本の警察なら当然です そこまで考えられないほど、追いつめられたとしても、彼の前に現れたのが右京さんなら間違いなくそういうでしょうね。本当に不憫な方です。
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yaskazu at 2014-05-24 23:27
>早希ちゃん様
ドラマ上は、柴田氏にはそこまで考えるほど、精神的余裕がなかったでしょうし、そこは理解してあげないと、さすがに気の毒だとは思います。 だからこそ、そういった1人、1人の“すれ違い”や“歯車の噛み合わせ”“ボタンのかけ違い”を、誰かが越えることが出来てれば、そして、仰るように、その“すれ違い”や、“かけちがい”の狭間に、右京さんが介入できていたら、あの悲劇は生まれなかったでしょう。 それこそが、この回のサブタイトルである「ボーダーライン」の意味のひとつでもある・・・と、自分は思います。
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早希ちゃん
at 2014-05-25 01:11
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すいませんね、何度も
もちろん、精神的余裕が無かったことは百も承知です。だからこそ、前文の締めくくりは 「本当に不憫な方です。」なんです。 杉下右京という小さくて大きな出逢いも無かったわけですから。 お互い人生やり残すことの無いように生きたいですね。 ではご縁あれば。
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by
yaskazu at 2014-05-25 23:34
本当にたまたま、この番組の再放送を見ました。自分自身、40歳超えて家庭もあるのに基本給13万に下げられて、最近新型コロナに感染して、指示で休んだのに手取り12万で衝撃を受けたところに、この放送を見てかなり悲しくなりました。40歳を超えて平社員で医療事務で男性というのは珍しいと思います。医療事務はベテランなので業務はなんでもこなせますので重宝されますが、なにせ給料が低すぎる。副業もしているからこそ、家庭を養っている感じです。
日々、医療事務は医者や管理職から人間でない扱いを受けています。医療事務という職業を選んでしまった自分の愚かさに辟易しています。
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yaskazu at 2023-02-28 22:35
> ホットケーキさん
コメントありがとうございます。 大変でしたね、自分も色々あった人間なので、お気持ちお察ししたします。 病院関係のお仕事の実情は、よく分からないのが正直なところなのですが、医療事務というお仕事も、なくてはならないと、自分は思います。 無責任に頑張れなんていうのは失礼だし、不適切だと思いますが、それでも生きていかなきゃならないのが人生。 色々な思いはあるでしょうが、前向きに歩いていくしかありません。 お互いにね。
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