メーカーを擁護してみるIII・正義のあり方
長々と書いてきた「タナカ・カシオペア」関連の話、今回はいよいよ核心です。

先の2つのエントリーでは、事件の大まかなな流れと、警察の見解は正しかったのか?という点について書いてみたのですが、そこで行き当たるの根本的な疑問は、警察は何故この「カシオペアタイプ」の摘発、押収に出たのかということ。

元々はこのシリーズが販売された当初から、ネット上で書き込まれた“火薬と金属弾が撃てる可能性”ってのが発端という事ですが、このテの書き込みが出そうなところといえば(確認した訳じゃないけれど)先ず間違いなく“某所”だろうけど、それ“だけ”を理由に(鵜呑みにして)警察が動いたというのも、俄には信じ難い。
いや、間接的にはそれもひとつの理由にはなったかも知れないけど、それは“表向き”の事で、多分もっと別の理由がある気がしてなりません。

じゃあ、それはなにか・・・

以下はあくまで私の憶測ですので、あまり本気にしないで下さい(いや、むしろ邪推であってほしい(^^;)



ポイントとなるのは、今年2月に正式施行となった「改正銃刀法」
警視庁の関連ページ

「ASGK」の関連ページ

良識あるユーザーなら、違反品は提出するなり適正品に交換するなりしてるだろうし、メーカー側も法律に従って全ての製品を適正化しているはず。
この「改正銃刀法」そのものが施行される発端となった、あの悪名高き(私が噛み付いた)「デジコン」ですら、現在では(一応)全て適正品に改良されている(闇での違法品の流通もいまだにあるらしいものの、直接事件には繋がっていない)

実際この「改正銃刀法」が出され、今年2月に正式施行された以降は、少なくとも私の記憶ではエアガンやガスガンを使った大きな犯罪や事件は起きていないように思うし、それは「改正銃刀法」の効果がしっかり出ている証しとも言える。

実にいいことではないか!

が、しかし・・・実はそれは警察にとっては、ちょっとマズイ・・・

この法律がこの2月に正式施行されたという事は、業界関係者やガンマニア、コレクターといった類の一部の人間以外の、広く世間一般にはあまり周知されてない事なんじゃないでしょうか?
いや、今はもう離れてしまってる(現役ではない)マニア&コレクターとか、1〜2丁興味本位で買って、持ってるのすら忘れてるなんて人なんかは、銃刀法が改正されている事自体知らない人もいるかも知れない。

実際。長い間こっちの趣味から離れてる私も最近気づいて、焦って自分の所持品を調べたりした位ですから(一応、全部適正品だった模様(^^;)そういう人が仮に知らずに違法品を持っていたり、どこか押し入れの奥に仕舞われていたとしても、現実問題としてそういうのは多分摘発も検挙も不可能でしょう。

警察はここで改めて「改正銃刀法」が施行済みな事を世間に知らさねばならないし、そのためには何かしらの摘発なり立件なりの“宣材”が欲しい・・・
更に、特に目立った事件がなくて検挙率が下がれば、警察に対する次年度の予算にも影響するし、担当者には出世や昇進に影響の出る者も出てくるかもしれない。

やはり、事件が起きないのは、ちょっとマズイ・・・

そんな時に出てきたのが、今回の「カシオペア」
「カシオペア」という、これまでにない新しいシステムを持った製品は、その新しさ故に「ASGK」が認可を見送るような“グレーゾーン”に位置していた。
そこに、まるで違法改造を煽るかのようなネット上での書き込み・・・

これは警察とすれば、違法になる可能性のある物として、この製品をとメーカーを調査する必要がある。
実際に違法改造や犯罪等の事件になる前に、警察の捜査が入るのは珍しいとされるものの、犯罪を未然に防ぐという大義名分があれば、少なくともマニア以外の世間一般は納得するし、捜査そのもに違法性もなければ、それによって以前よりも規制が厳しくなった「改正銃刀法」の事を改めて世間に知らせる事もなり、それが抑圧に繋がれば警察に対する好評価にもなる。

警察にとっては「カシオペア」は“クロ”でなくてはならなかった。
それが明らかな“シロ”でない・・・“シロに近いグレー”なら、極力“クロに近いグレー”になってもらわなければ困る。
警察の技術力と設備ならそれは難しい事ではないし、一度でもそれが成功したのなら、それは決して“捏造”とは言えないし、事実上“クロ”の判断が下せる。

そして“実際に火薬を使って金属弾を撃てた”という事実だけを公表すれば、マスコミは喜んで偏向報道するだろうから、今回の件を危険な玩具を作った悪のメーカーと、犯罪を未然に防いだ正義の警察として世間一般にアピールできる・・・

・・・ここまで書いてて、自分でもちょっと“ヤバイ”かなと思ってきた(近い内に家に警察が乗込んできたり・・・?(^^;)
いや、本当はそんな事はあってはならないし、あってほしくないのですが、今回の一件はどうにもそんな疑念を持ってしまう要素があるのも確かなんですよね(^^;

最初のエントリーにも書きましたが、今回の件は警察に目をつけられる様な製品を(例えそれが商売上の都合や、製品の安全性と正当性に自信があったとしても)「ASGK」の認可を待たないまま世に出してしまった「タナカ」にも、そしてその辺りの“摺り合わせ”を上手く計れなかった「ASGK」の否は大きいと思うし、結果的にファンやユーザーを裏切り、世間にも余計な不安を煽ったのですから、その点については両者共に責任は重いと思うし、私も擁護は出来ません

その上で・・・

それでもやっぱりこの件は私の目には“警察とマスコミの横暴”に見えてしまうのですよ。

「タナカ」は、この「カシオペア」には社運を懸けていたという話も聞きます。
それ故に“見切り発車”的に販売せざるを得なかったって事情も、あったかも知れません。
研究費や開発費にかかった金額や、今回の押収や販売中止と、報道による信用喪失が被る損失額を考えれば、所詮はスキマ産業の弱小企業に過ぎないこの会社が、今後持ち堪えれるかどうかはかなりシビアな事になってくるんじゃないでしょうか?
もしそんな事になってしまったら、仕事を失ってしまった社員やその家族は路頭に迷う事になるし、今の御時世、一度失職してしまえば次に仕事に就ける保証はどこにもない・・・

確かに・・・確かに事件に繋がる可能性のある物を売った事は、企業として責任を問われなければならないけど、だからと言ってそれを避けるために真摯に企業努力していた会社を、国家権力や偏った報道が経営危機に追いやり、複数の人間を失職の危機や特定の産業の経済に悪影響を与える事の、どこに正義を見い出せというのか?

その辺りがどうしても腑に落ちないし、納得がいかなかった・・・
それが今度の件で私が“敢えてメーカーを擁護してみよう”と思った、一番の理由です。

そんな訳で、一応今回でこの話は終わりにする・・・・つもりだったんですが、後少しだけ・・・ちょっと語り足りないところがあるので、もう少しだけおつきあい願えれば幸いです。
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by yaskazu | 2008-11-16 23:17 | 社会 | Trackback | Comments(0)
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