仮面ライダーTHE NEXT.感想 パート3
取り敢えず今回で一応ラストです。

例によってネタバレ全開ですので、御注意を。



>ちはるの腕時計
風見が偽Chiharu2号を試した腕時計は、連絡がとれなくなった後にちはるの方から風見の元に送られてきた物。
自分が送った物をプレゼントだと渡されて喜ぶなどあり得ない訳で、それが風見が偽Chiharu2号を見破った理由。
そして、ちはるがその時計を送ってきたのは、死を覚悟した彼女が兄への形見のつもりだったであろう以上の、深い意味があった。

ちはるの腕時計に琴美が触れた時、琴美の中に強力なちはるの思念が傾れ込み、偽Chiharu2号の口から語られた真実の詳細が、映像としてその脳裏に映し出され、そこに隠された更なる真実を知る事になります。

あの事件が起きたのは、ちはるが兄の会社に立ち寄ったその日・・・つまりショッカーの実験が行われた同じ日に起きた事で、実はその時ちはるの身体にもナノロボットによる異変が起きており、手の甲に表れた無気味な腫れ物の様な物に気づき、動揺して立ち止まった瞬間が、ちはるが階段から突き落とされた時。
自分の身体に起きた異変に驚き、心が無防備になってる時に背中を押されたため、由香里と尚子の想像以上の勢いで転げ落ちてしまったんでしょう。

そして、配電盤に顔を突っ込んでも死ななかったのは、恐らくナノロボットによる改造手術が体内で進行していたため。
ここは私見ですが、ちはるも風見志郎の妹である事を考えれば、もしかしたら事故がなければそのまま成功例の改造人間として生まれ変わっていたのかも知れない。
しかし、ナノロボットの活動が完了していない時点で高圧電流が身体に流れてしまったため、改造は不完全となり、ちはるに醜く崩れた顔と死ねない身体を残す事になってしまう。
自分の顔が壊れてしまったのは(その時点では)整形手術の失敗だと思っているちはるは、絶望して自殺を図る訳ですが、改造された身体は彼女に自ら死を選ぶ事も許さなかった。

琴美は、イメージ世界で地面に横たわる“包帯姿”のちはるの手をとり、その身に起きた親友の悲劇に涙する訳ですが、イメージ世界のちはるは琴美に“お兄ちゃんに時計を届けて欲しい”とメッセージを伝えます。
そうか、風見に時計を送ったのは琴美だったのか・・・ん?、ちょっと変かも・・・と思いましたが、ここはそういう意味ではなかった模様。

琴美がイメージ世界から解放された時、ちはるの腕時計が異様な動きを始め、3:00の時刻を指します。
その時刻は、明日ショッカーのナノロボットによる人類総改造計画実行の為、大量のナノロボットが埠頭に運び込まれる時刻。
ちはるは、この計画を兄に“止めて欲しい”と願っていると言うのでしょうか?

愛する妹の身に起きた出来事と、その思いを知った風見の心は激しく動揺。
ショッカーの実験がなければ・・・あの時ちはるが自分の所に来てさえいなければ、或いはこの悲劇は起きなかったかも知れない。
妹をそんな目に遭わせたショッカーを、自分はまだ信じると言うのか?、そんな狂った科学によって齎された自分の力を、まだ誇りに思うと言うのか?(この辺、ちょっと意訳入ってます(^^;)

>俺は戦わなければならない、ショッカーと
ショッカーの陰謀を知った本郷は、たった1人でそれを止めようと行動を開始。

風見は、本郷の無謀な行動を止めるように一文字に告げますが、この時点で自分がまだその行動を起こそうとしないのは、やはりどこかでまだショッカーに対する忠誠や未練が残ってるって事でしょうか?
もしそうであるならば、それはやはりかつての一文字と同じだと言えるし、それを含めて今の本郷を止める事が出来るのは、自分ではなく一文字以外にいない事を分かっていたからでしょう。

そして、一文字もその風見の思いを理解し受け止めたから・・・そして何よりも、そんなどうしようもない“バカなヤツ”を放っておけないから、そのバカの元へ向かうんですな。
但し、止めるためではなく“共に戦う”ために(止めて止まるヤツじゃないのが、嫌って程分かってるのも一文字だからね(^^;)

しかしそんな一文字を、本郷は腹に一発拳を打ち込み“のして”しまいます。
少しでも一文字に長く生きていて欲しいから・・・無理をして命を縮めて欲しくないから・・・

なんかね、この一連のくだりって凄ぇ“ベタベタな”展開なんだけど、やっぱ“グ”っと来ちゃうもんがある。
こういう盛り上げ方は本当に上手いですよ、井上先生は(^^)

>人間の自由を守るために
とある埠頭、ショッカーが陰謀を実行するために、大量のナノロボットや戦闘員の大軍を積んだトレーラーやトラックが集合して行く傍で、突如起こる爆発。
その炎を背にショッカーの前に立ちはだかるのは、サイクロンに股がった本郷猛!
本郷は、そのままサイクロンをッショッカーの群れに向けて走らせながら変身!、そのまま決戦に傾れ込んで行く!

そして戦いを繰り広げる本郷が、シザースジャガーに走るトレーラーの上で首を押さえ付けられ、ヘルメットが地面に擦れて火花を散らすようなピンチに陥った時、現れるもう1人の男、一文字隼人!
一文字はサイクロン2号を横向けにジャンプさせ、そのままバンの側面を突き破って突入して車中で変身、バンの爆発の炎と共に一文字ライダー登場!と、実に派手な登場をしてくれます。

前作「THE FIRST」の最終決戦は、囚われのお姫さまを救いに行くヒーローっていう、ある意味王道のパターンでした。
私の目的のために戦う事が公を守る事に繋がると言う意味では、このパターンは大いにありだと思うし、決して否定はしませんが、しかし・・・
実は、いわゆる“平成仮面ライダー”の劇場版で、井上先生が脚本書いた作品って、クライマックスは殆どこのパターンで、些か食傷気味だったところに「THE FIRST」までこれをやられたときには、ほんとうに“またかい!”って萎えちゃったってのは「THE FIRST」の感想にも書いた事。

しかし今度の映画では、そういった私的な目的ではなく、自らを顧みずに“ショッカーの野望を砕く”事が最大の目的になっています。
文字通り“人間の自由を守るため”の戦いな訳で、それぞ正しく「仮面ライダー」本来の姿!、ヒーロー物の醍醐味と言った感じで、文句なしに燃えました!

一文字にしたって、自分の死をも厭わないで“バカヤローな友”の為に駆け付けてる訳で、本郷ライダーの元に駆け付けた一文字ライダーが、直後に“お返し”とばかりに腹に一発拳入れたりとか、やはり辛そうな一文字を気遣う本郷に
「気にするな、言ったろ?、俺は不死身だって」
と、強がりみせちゃうとか、もう“ベタベタ”だけど、この上ない燃え(萌え?)シュチュエーションですよ!(^^)

>最終決戦へ
埠頭での戦いは乱戦を窮め、戦いの場はショッカー基地のあるレストランへ。
一般客が居たところを見れば、あのレストランは普段は普通に営業している様ですが、どうやらあの時居合せた客を最初の実験台にするつもりだったのか?
因みに、妙に“趣き”のあるあのレストランは、「牙狼」で冴島邸として使われて居た物だそうで、言われてみれば確かにそうですが、内装や撮り方によって随分印象が違うもんですね。

一般客が全員逃げ出しちゃった後、ダブルライダーの前にはシザースジャガーとチェーンソーリザート、そしてショッカーライダー達も参入。
と、そこにハリケーンで窓を破って突入してきたのはV3!、しかしV3はショッカーライダーを打ち倒してダブルライダーの元へ!
最愛の妹、ちはるの願いを叶えるために、ショッカーを裏切りその野望を砕く事を決意した様です。
そんなV3=風見に、一文字が一言。
「良かったな、アンタもう空っぽじゃないぜ」
ホント、今回の一文字は言う事がいちいちニクイよ(^^)

ハリケーンに乗ったV3を中心に、階段上に並んだ“3人ライダー”が、各々“ファイティングポーズ”を決めると複眼が発光、今正に最終決戦へ!(かなり燃え死む(^^;)

>Platinum Smileの真実
ライダー達が決戦を繰り広げている頃、“偽Chiharu2号”戸塚尚子が居た部屋のモニタに、突如“Platinum Smile”のPVが流れ出す。
すると、そこにあの“包帯女”が出現して社長とマネージャーを殺害、そして怯えて許しを乞う尚子にゆっくりと歩み寄って行く・・・
異変を感じた琴美は、騒ぎの起きいる部屋のドアを必死に叩くものの、扉は開かない。
そして、遂に・・・・

同じ頃、階上でライダー達のバトルが繰り広げられているショッカー基地の地下廃棄場から這い出す、身体の半分以上が醜く、巨大に腫れあがり、爛れた“怪物”の姿。
これこそが、行方の判らなくなっていた風見ちはる“本人”の、変わり果てた姿。
飛び下り自殺を図った後も死ねなかったちはるは、恐らくはショッカーによってナノロボットの実験に纏わるサンプルとして回収されたのでしょうが、結局は“失敗作”として基地の地下に廃棄処分にされてしまったのでしょう。

しかし、それでもちはるは死ぬ事が出来ない上、肉体の変質は更に続き、遂には二目と見られぬ“化物”にしてしまった・・・
そして、その過程で精神波を操る力を得たちはるは、その分身とも言える“精神体”を、自分が一番輝いていた頃の“Platinum Smile”のPVが流れる場所に出現させ、そこに居た者の顔を自分と同じ様に醜く切り裂いて殺害していた・・・それが、包帯女の正体。

・・・なんですが、ちょっと引っ掛かるのは、結局包帯女の事件とショッカーとは直接的な繋がりは無かったように見えますが、なら最初の偽Chiharuが死んだ時、何故チェンソーリザートはそこに居合せたのか?
Chiharuの事務所は、今回の件にどこまで関与していたのか?
ちはるが(包帯女を使って)2人の偽Chiharuや、事務所の社長とマネージャーを殺害した事は“私怨”と考えるのが一番自然ですが、ならば本当に関係のないファン達まで殺す必要があったのか?
この辺りが個人的にはかなり腑に落ちないところなんですが、もしかしたらこれが最後の“アレ”の意味を解く鍵なのかも知れません。

>VSシザースジャガー、VSチェーンソーリザート
激しい戦いが繰り広げられ、ショッカーライダーを漸く全員片付ける事に成功。
それにしてもショッカーライダーとの戦いは壮絶窮まりなく、背骨を折られて“変な方向”に身体が曲がって絶命する1人のショッカーライダーとか、かなりバイオレンス色強いです(^^;
そして、予告編や宣伝スチル等に見られた、クラッシャーから激しく吐血する一文字ライダーも、この一連シーンにあります(まるで池田屋襲撃時の沖田総司だな(^^;)

激しい戦いでマスクが吹っ飛んでしまった本郷は、それでもフェイスオフ状態のまま戦いを続行。
一文字と力を合わせ、階段上から一段下の踊り場のシザースジャガーを挟み込む様に“ダブルライダーキック!”を浴びせ、更に“ダブルライダーパンチ”を撃ち込み、遂に撃破。
爆発四散するシザースジャガー。

一方、ナノロボットのケースを追って地下に向かったV3=風見は、地下でチェーンソーリザートと対決。
かつての自分の秘書との戦いは、風見にとっても皮肉だったかも知れませんが、それでも自分の道を決めた今の風見には迷うところはない模様。
激しい戦いの末、こちらも“反転キック”で撃破し、起こった爆発の炎はナノロボットを残らず燃やし尽くして行きます。

>殺して・・・
琴美が漸く騒ぎのあった部屋に入れた時、そこには床に血痕らしきものが会った以外は、偽Chiharu2号も、社長も、マネージャーも、誰の姿も無く、ただモニタ上には“Platinum Smile”を唱うChiharuの姿のみが映し出されていた・・・
ヘッドホンをとり、そこから流れてくるPlatinum Smileを聴いた時、琴美はそこに隠された“ちはる”の、本当の声を知る事になります。
その琴美の背後には、あの包帯女の姿が・・・・

同じ頃、炎に包まれたショッカー基地の下で風見が遭遇したのは、変わり果ててしまった妹の姿・・・
V3のマスクを取り、自分が志郎である事を示しますが、ちはるはそれが兄である事を認識している様子ながらも攻撃を仕掛けてきます。
しかしそれが風見に、妹が何を求めているのかを気づかせる事になります。
「殺して・・・」
醜くなってしまった自分を消してほしい、死ねない苦しみから解放してほしい、自分の行為を止めてほしい・・・

そしてその声は、琴美の耳にも届いてました。
友の歌うPlatinum Smilに隠された、親友の悲しい願いを知った時、その苦しみに気づいてあげられなかった事に“ゴメンね”と涙する琴美・・・
その後ろにはそんな琴美を見守る様に立っている包帯女。
ちはるは、親友に自分の気持を知ってほしくて、その分身を使わせたのでしょうか?

風見は、琴美の“アンタはちはるに比べてちゃんと生きてない”という言葉を思い出してました。
夢を持って生き輝いていた妹が、ちゃんと生きていなかった自分に、ちゃんと死なせてほしいと望んでいる・・・
意を決した風見は再びV3のマスクを装着、ダブルタイフーンを回転させて周りの炎を吸収し、身に纏います。
予告やポスター等にも印象的に使われた“炎を纏ったV3”の姿が、まさかこんな悲しい決意をした時の姿だったとは・・・
そして、妹の最後の願いを叶えるために、自分自身が“ちゃんと生きる”ための再生を果たすため、その炎の拳を、ちはるの醜く崩れた顔に打ち込む風見・・・

同じ頃、何かの気配に気づいた琴美が後ろを振り返った時、そこにはもう、誰の姿もありませんでした・・・

もう、涙なしで見ません・・・この一連のシーン・.・つДヽ)・.・

>生きてゆく・・・
最愛の妹を手に掛けてしまった事で、暫し茫然と炎の中に膝を落としているV3に、左右から手を伸ばして連れ出すダブルライダー。
爆発するレストランから、3人連れ立って脱出する仮面ライダー達(ここも予告で流れてたトコね)

戦いが終わり、去って行こうとする背中に、また会えるよなと言っても、尚そっけない一文字に対し
「無理するな、お前友達っていったら俺しかいないだろ?」
と言う本郷に、ニヤッと微笑んで振り返り
「そういうお前もな」
と返す一文字、ホントにコヤツは今回出番少ないくせに、一貫して“いいとこ”持って行っちゃいますよ(^^)
その命があとどれだけ続くのかは分かりませんが、もし“次”があるのなら、少なくともその時までは生きていてほしいものです。

そして、これからどうするのかと言う本郷の問いに対する風見の言葉は
「生きていきますよ・・・“あなたの様に”」
その言葉は、風見が漸く“自らの意志”で“ちゃんと生きてゆく”一歩を踏み出した証でもあります。
しかしそのために背負ってしまったのは、“妹殺し”という、余りにも大きな十字架・・・

>先生!
そして本郷は、事件の後で“皆が気持悪がる”“風気に影響が出る”と言う理由で、学校を解雇されてしまいます。
人間の為に命を賭けて戦っても、自らの孤独は深まっていくばかりであり、どれだけ平穏な生活を望んだとしても、決して安息の地を得る事は出来ない・・・それもまた、改造人間である本郷の背追った宿命。

しかし、落ち込む本郷に向かって“先生!”と呼んで笑顔で駆け寄ってくる琴美の姿。
本郷は孤独だけれど決して1人じゃない。
少なくとも、本郷の事を信頼してくれる少女が1人、確実にここに居る・・・
それが、この映画の中の数少ない“救い”でした(^^)

>殺して・・・やる!
ISSAの主題歌に乗ってEDのタイトルロールが終わった後、映し出される「パチンコ・仮面ライダー」の画面、それを打ってる客が聴いてるのは“Platinum Smile”
と、台の下に置かれた“ドル箱”の玉の山から突如突き出てくる白い手!
客の顔を掴んでドル箱に引きずり込む様に押し付け、そして響いてくる声
「殺して・・・やる!、殺して・・・やる!」

・・・・・・・・・・・・

エェエェエーーーー!?(^^;

このエピローグ、気持的にはせっかく“いい終わり方”したのに、なんでそんなわざわざ後味悪くなる事するんだとは思いますが、それ以上に“どう捉えて良いのか判らない”と言うのが正直なところ。
憶測だけなら、例えばちはるの思念体だけが暴走してるとか、そもそも事件の関係者を殺していた思念体と、無関係な人間を殺していた包帯女は別の存在だったとか、ショッカーが今度の騒ぎに乗じて別作戦を始めたとか、色々と考える事はできますが、やっぱりどれも憶測以上じゃありませんしね(^^;

果たして、この真相が明かされ事はあるのでしょうか?  (終)

そんな訳で、連載になってしまった「仮面ライダーTHE NEXT」の感想は、一応これで終わります。
多少はネットや書籍を参考にした部分はあれど、実質1回しか観ないで殆ど記憶だけで書いた割にはよく書けた方かなと、自己満しております(苦笑)
色々と言い足りない事や不満は勿論あります(例えば、緑川あすかはどうなったんだとかね)が、それは別の機会にいたしましょう。

おつきあい頂いた方、ありがとうございました!(^^)

ソフビ魂 仮面ライダー2号 (仮面ライダー THE NEXT)
/ バンダイ
ISBN : B000U932D8
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by yaskazu | 2007-11-17 00:19 | 仮面ライダー | Trackback | Comments(0)
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