電王映画のネタバレ感想です。
まだ知りたくない!って方は御注意を。 ※27話→映画→28話 冒頭シーンはTVの27話のラストと完全に繋がってる・・・と言うよりも“1セット”になってます。 27話で加藤を追いかけて行った“U良太郎”がいつの間にか“M良太郎”に変わってたコンセプトはここでちゃんと描かれていて、逆に過去に飛んだモモ電王がモレクイマジンと戦ってるのを牙王が影から見てるシーンや、その前日にイマジン達と“たむろ”してるシーン等は、映画用に撮ったシーンであるにも拘らず出てきません(恐らくコラボの関係か、単純に尺の都合で切られたと思われます) 27話と映画の双方のシーンをパズルみたいに組み直す事で大きな1シークエンスになるという構成の上手さには感心しました。 更に、この映画を踏まえた上でのTVの28話が、ジーク編以降の流れの本当の意味での一区切りになってる辺りの巧みさは、小林脚本の凄さを素直に認めたいところ。 ※リュウタロスダンサーズ・スペシャル いつものストリートダンサーズじゃなくて、何故“網タイツ”のオネーサンだったのか!?(^^; やはり映画と言う事で、お母さんだけじゃなく“お父さん層”へのサービスなのかな?(いや、確かにおぢさんも嬉しかったよ(笑)) ※俺の必殺技、パート1 TVではカットされてましたが、実は最初に“幻の必殺技を見せてやる”ってセリフがあり、なにげにパート1が実は初御披露目って事を示してます。 ※思い出の場所 この映画の大きなポイントである“良太郎自身の過去”に繋がる道路を、良太郎とハナが見つめてるその脇にガオウが乗っ取ったデンライナーが走り去り、そこが27話であった「君、だれ?」のシーンに繋がり、デンライナーを追いかけて行った良太郎が牙王に突き飛ばされて転倒した事が良太郎から電王やイマジン、時の列車等に纏わる記憶を一時的に失わせ、そこから本格的に劇場版の流れに乗って行く・・・って感じで合ってるかしらん?(もはや記憶曖昧(^^;) ※牙王と愉快な仲間達(笑) 渡辺裕之氏自身が“俺の映画”などと豪語するように、本当に圧倒的な存在感を示していて、それが変身後の“ガオウ”の出鱈目な強さのイメージにも繋がっています。 ただ、それ故に牙王自身の“バックボーン”が何も語られていなかったのは少し残念。 何故全ての時間を消そうとしたのか、どうやって“神の路線”の存在を知ったのか・・・等々がもう少し語られていれば、クライマックスの対決も更に盛り上がったろうと思うと、尚更です。 仲間のイマジン達も同様で、ヤツらがどういう経緯でガオウの仲間になったのかとかは勿論、TVシリーズでの敵イマジンはみんなモモ達に負けない位に個性派揃いなのに、コイツらは正直ただの“ザコ野盗”で終わっちゃってるのは、折角宣伝文句にまで使った“声の出演”の面々のあまりにも豪華な顔ぶれ(笑)も含めて、本当に勿体無い。 ここは劇場版での数少ない不満点のひとつです。 ※神の路線 “時の列車”が行ける通常の範囲を遥かに越える超過去へ行ける路線で、そのために必要なのがオーナーの持つ“マスターパス”らしく、ガオウがデンライナーをハイジャックした目的のひとつはこれなんでしょう。 まぁそれはいいのですが、そんな“重大な物”を所持してるオーナーの正体が増々謎に・・・(^^; ※良太郎の後悔 イマジンや電王以外の記憶は残っている良太郎を、取り敢えず2000年のミルクディッパーに連れてくるハナさん。 ここで2000年のミルクディッパーが空家状態だった理由と同時に、良太郎の過去とちょっとした後悔が、2007年のミルクディッパーの愛理姉さんや尾崎&三浦コンビのやりとりと絡めて語られます。 野上姉弟は早くに両親と死別し、良太郎はお婆ちゃんの家に引取られて過ごしていたものの、元々は両親が経営していたミルクディッパーにあった“家族で一緒に写っていた写真”を見るため、時折店に忍び込んでいた(多分、お婆ちゃんが手放さずに権利を引き継いでいたものの、経営するまでには至らなかったってところでしょう) ところが、ある時その写真をいつも持っていたいがために持ち出し、結果1枚しかなかったそれを失ってしまった・・・それが良太郎の後悔(良太郎は子供の頃からドン臭くてツイてなかったって事か(^^;) その後、成人してから愛理姉さんが店を継いで経営してるのが今のミルクディッパーなのでしょうが、ただ劇中のやりとりを聞く限りでは2007年では良太郎はお婆ちゃんの家には住んでいないみたいで、TV版の感想で書いた野上姉弟の生活体系の謎は結局分からんかったのですがね(苦笑) この良太郎の後悔が、この映画のポイントになってます。 ※小太郎&M小太郎登場、ジーク降臨 “囚われの身”となったタロス衆ですが、モモだけは何とか脱走に成功して良太郎に憑こうとする物の入れない。 良太郎の記憶が欠落した事が原因だそうですが、その事がこの映画でモモ達が実体化した理由でもあるそうです(どういう仕組みでそうなったかまでは描かれてませんが、まぁ「電王」はそれでいいでしょう(^^;) そんな中にミルクディッパーにやってきたのが10歳の良太郎・・・モモのいうところの“小太郎”ですな。 砂状態のモモやジーク見て良太郎と同時に気を失うとか、気の弱いところは同じの様ですが、内面はむしろ今の良太郎よりシッカリしている様に見受けられ、この7年の間に良太郎なにがあったのかが気掛かりです(笑) ただでさえややこしい事になってる時に突如良太郎に憑依したのが、あの“ジーク” TVの24話で1997年に送られた時間軸の3年後の世界だからここに居て、元々他のイマジンの有無に関係なく憑依出来るジークだから記憶のない良太郎にも憑く事が出来た・・・らしいですが、その理屈で行けば今後またTVシリーズにも登場するかもしれませんね。 相変わらず“王子様”な振る舞いを続け、ゼロライナーの中ではデネブを“料理番”扱いしてやりたい放題(しかも何故かデネブは嬉しそうだったり(笑)) ジークが良太郎に憑いたのは実は理由があるのですが、それはまた後の話(因みに、ゼロライナー内で“W良太郎”は華麗に“オロナミンC”を召し上がってます(w) そして、良太郎に入れないならと、モモタロスはなんと小太郎に憑依。 モモの憑いた“M小太郎”は、子役の子の演技力も相俟って、文字通り“小型のM良太郎”といった感じで、声は関さんがアテてるとは言え、見事に“モモタロス”していて、かーなーり笑いを誘います(((^▽^))) ※侑斗君、奔走 2000年に取り残された良太郎達をゼロライナーに乗せ、牙王阻止のために乗っ取られたデンライナーを追う“僕ちゃん”こと侑斗君。 この映画の中では侑斗君は比較的裏方に徹していて出番はそう多くありませんが、実はその裏ではTVシリーズで描かれた様な“色んな時間の良太郎集め”に奔走してたという事になるんですな(本当によく練り込んであるなぁ) また、映画の中では“回数制限”のある筈のゼロノスカードを、随分気前よく使ってるって事をTV版の感想に書いた記憶がありますが、そこらはちゃんとTVの方に反映される辺りも凄い(次回予告で“あと1枚”って言ってた) ※時間の旅へ 侑斗君が“かなり強引な方法”でゼロライナーを神の路線に乗せ、デンライナーを追って結果原始時代に弾き飛ばされ、そこから再びガオウ達を追って戦国時代まで行く過程が、TVのコラボ編や映画予告で流された明治か大正辺りの学校でのガオウとゼロノスバトルとか、モモの人力車とかで、ピラミッドや西部劇もこの辺りのシーンに含まれますが、私の記憶がこの辺りいよいよ怪しい事もありますが(・・・(^^;)実はこの一連はさほどストーリーに直接関わるものではなく、特に意味を持つ物は無かった様に思います。 ただ、その旅の過程で小太郎が時間の旅を楽しんだり、芯の強いところを持っているのを見たモモタロスが“ちっちゃくてもやっぱり良太郎だ”とか言って喜んだりして、小太郎を通す事で良太郎とモモタロスの関係を再認識して行く布石になっている辺りはポイントかも知れません。 ※ハナさん、大活躍 この映画でのひとつの大きな要となる戦国時代で、襲ってくる忍者達(牙王が裏で糸弾いてる)から良太郎や小太郎を守るため、モモタロスと同等かそれ以上の大活躍を見せるハナさん、刀振り回してくる忍者と素手で渡り合うのは凄いとしか言い様がない(^^; 後のシーンで敵陣に乗込む時も同等の大活躍を見せますが、戦隊ならともかくライダーでここまでの“戦うヒロイン”は初めてなんじゃないだろうか? 度合で言えば「宇宙刑事シャイダー」の“アニー”に匹敵する活躍ぶりだと思うんですが、ハナ役の白鳥百合子嬢はアクション女優でも無ければJAEですらない、本職は“モデル”さんである事を考えれば、彼女の頑張りぶりには本当に頭が下がる思いです。 ※このサイズでもクライマックスだぜ! 先日のTVスポットでも流れてましたが、なんと小太郎も変身し、本当の“映画版限定ライダー”となります(笑) アクション以外の決めポーズや芝居は小太郎役の溝口琢矢君がミニ電王も演じたそうで、その見事な“モモタロスぶり”は拍手ものです! 因みに、私の観た劇場ではこのシーンが一番客席が湧いてました(笑) ※この姿も、モモタロスって名前も、全部お前が考えたんだぞ! 自分の事を思い出せない良太郎に、思わずモモが言った言葉がコレ。 それでも思い出せない良太郎に、しようがないなと言いつつ歩いて行くモモの寂しさの漂う後姿と、それを済まなさそうに見送る良太郎。 この映画の中で、最も印象に残るシーンのひとつです。 ※ゲスト出演者 ガオウライナーが封印された真田幸村の砦巡っての大立ち回りが展開されるまでの過程で、陣内智則や星野亜希、更に“田所さん”やら“トドロキ君”と言ったゲストが大挙して登場しますが、文字通り“ゲスト出演”と言った感じで、別段誰が演じてても同じだったような・・・(^^; 但し、星野亜希演ずる千姫とハナさんが擦り変わり、着物姿のハナさんが田所さん・・・もとい霧隠才蔵をゲンコツ一発でKOするシーンは見物です(笑) ※ウィングフォーム、降臨 そして始まる砦での大立ち回り。 オーナーの“隠し技”で檻から脱出したウラタロスたちも参入し、スポットやコラボ編で流されたタロス衆と忍者達(実は牙王の仲間のイマジン達が憑いてる)との戦いに傾れ込みます。 みんなが戦う中、自分もミニ電王になって戦おうとする小太郎を制し、良太郎に憑依して“ウィングフォーム”となるジーク。 ジークが良太郎に憑いた本当の目的は、時を待って“受けた恩を返す”ためで、正に“満を持して”の降臨って事のようです(このツンデレめ(笑)) その過程でのイマジン達の会話がイカス。 モモ「なんでアイツだけ憑けるんだよ?」 ジーク「教養の差だ」 モモ「どう言う意味だ!?」 ウラ「先輩がバカッて事だよ」 モモ「なにぃ〜!?、もういっぺん言ってみろ!!」 もう、最高(笑) TVでは不発に終わった必殺技も決まり、存分に活躍してくれました、ウィングフォーム(^^) ※時を食うガオウライナー 果敢に戦いを挑むも、あっさりガオウに負けちゃったウィングフォーム(えええ-?(^^; そして皆の奮戦虚しく、遂に封印の解かれたガオウライナーの目指した場所は、1988年12月26日。 目的はその1日を消す事によって、その日に生まれた特異点“野上良太郎”を消す事。 良太郎1人を消すためにまた随分と大掛かりな事をするもんだなぁとは思いますが、牙王は“手始めに”と言ってるし、真の目的は“全ての時間を消す事”だと明言されてるので、そこはあまり追求しなくてもよいかな? ただ、牙王が“時間を食う”と例える事が時間を変えるのでは無くその1日をスッポリ消してしまう事と言う辺りの概念がどういうものか、その結果がどうなるのかってのはなんだかよく解らんってのが正直なところ(^^; ここらを考えはじめるとまた頭がウニになるので、“そういうもんだ”って事で先に行きましょう!(えー ※こんなに大切な事なのに、なんで忘れてたんだろう その背景に何があったのかは不明なれど、もうウンザリなんだとか言う身勝手な理由で時間を消そうとする牙王の言葉に“どんなに小さくても忘れたく無い時間がある”と言う、自らが電王となった“原点”とも言うべき思いに辿り着き、遂に全てを思い出す良太郎! 「行くよ、モモタロス!」 その言葉を待ち焦がれてたかの様に大喜びで(笑)良太郎に憑くモモタロス、そして変身! 「俺、参上!!」 この一連、正に「電王」の真骨頂とも言えるシュチュエーションで、理屈抜きで素直に燃えました!(^^) ※今日は全員纏めてクライマックスだぜ! そしてここで、TV版の25〜26話と繋がる事となる、侑斗君が連れてきた“別々の時間の良太郎”が登場し、そして“全員纏めてクライマックス”になる訳ですな。 4フォームと、更にゼロノスも参戦して繰り広げられるバトルを、カメラがPANしながら追って行くアクションシーンは、映画館の大画面で観る事でより臨場感が上がり、無理して劇場に足を運んだ甲斐があったと実感した部分です(^^) ※負ける訳にはいかない・・・モモタロス、立つよ! 各フォームとゼロノスがイマジン達を打ち破り、デンライナーとゼロライナー総連結でガオウライナーも撃破したものの、残ったガオウ1人の出鱈目過ぎる強さの前に歯が立たない一同。 それでも、力を振り絞って立ち上がるソードフォーム電王! 良太郎自身の信念と心の強さ、そしてモモタロスとの絆が正にひとつとなった、文字通り“クライマックス”のシーンで、小見出しの良太郎の言葉に対するモモの“ちょっと昼寝してただけだ”ってのがそれを更に加速させます! ※俺の必殺技、特別版 ガオウとの決着が、映画初御披露目の最強形態でもなければ、劇場版限定フォームでもない、ヒーローの“基本形態”の繰り出す必殺技でっていうのは、これまでの平成ライダー映画の定石から見ても却って新鮮で良かったです。 その必殺技にしても、派手なエフェクトをガンガンかけた綺羅びやかで何がなんだか判らないってのではなく、最終的に決め手になったのは最後にガオウの脇腹に決まったデンガッシャーの一撃な訳で、まるで古き良き頃の時代劇みたいだったのは、おぢさんのツボをシッカリ刺激しましたよ! 欲を言えば、あそこでバックに夕日が燃えてればもっと良かったんですけどね(ほら「チェンジマン」のブーバVSドラゴンみたいにさ(^^)) ガオウが爆発ではなく砂になって消えたのは、時を食うつもりが逆に時に食われてしまったからじゃないかと私は解釈してるんですが、さてどうなんでしょうね? ※憶えている限りは時間は消えない ガオウライナーに破壊されまくった1998年の世界は、ガオウが倒れると共に何事も無かった様に元に戻って行きます。 侑斗君の言葉によれば“時間は人の記憶”なんだそうで、人間の記憶の中の時間が消えずに存在し続ける限り、その人がその時間の事を忘れない限り、それは存在し続ける・・・と、言う事らしいです。 1998年12月26日は良太郎が産まれた日であり、両親の記憶が無い良太郎が強く繋がっていたいと願うその思いが、破壊された時間を復元したと言う事の様ですが、これはTV版でも過去に行われた破壊や失われた人命がどうなるのかって事の説明にもなりそうだし、また「電王」という作品を形成するテーマとして、今後大きく関わってくるかも知れませんね。 ※俺、誕生 良太郎が失った写真を取り戻し、両親の顔を思い出させてあげてほしいと言うハナの願いをオーナーは敢え無く却下。 しかし、未来へ戻るデンライナーを良太郎の産まれた病院の前に通してあげるという、心憎い施しをしてあげる辺りはナイスガイ! 路上を走り去る電車を見て“わぁ〜、電車”と、何の疑いも持たずに喜んでる両親と幼い愛理姉さんの“天然ぶり”を見て、何かミョーに納得しちゃったのは何故だ!? ともあれ、良太郎も小太郎も“両親の顔”を記憶に刻み付ける事が出来て、その証しが2007年のミルクディッパーの額縁に入った、家族の揃った“絵”(あの絵を描いたのは、多分2000年で下ろした小太郎)に繋がるというの構成は見事でした。 そんな訳で、ネタバレ感想はこれでおしまい。 雑感は別口の感想を参考にして頂ければ幸いですが、映画が終わって今後のTVシリーズがどうなって行くのかが、なかなか楽しみになってまいりました(^^) 装着変身 仮面ライダー電王 (プラットフォーム)&モモタロスイマジン / バンダイ ISBN : B000RGA6K6 スコア選択: モモタロス、行くよ! おう、待ってたぜ!
by yaskazu
| 2007-08-16 01:23
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