希望
遅くなりましたが、先日少し触れた、ラジオ番組「高寺成紀の怪獣ラジオ」の、オダギジョー氏ゲスト回の後編が、11月6日の夜に放送されたので、前編も含め、そこで語られたことを、簡単に纏めておきたいと思います。

【第27回・2015年10月30日(金)放送】ゲスト:オダギリジョーさん

【第28回・2015年11月6日(金)放送】ゲスト:オダギリジョーさん

上記の「怪獣ラジオ」公式ブログに、オダジョー氏のコメントが掲載されてますので、参照にしていただければと。

では、本題。



まず、最も大きく取り上げられた事として、オダギリジョーは「仮面ライダークウガ」を“黒歴史”にしているというのが、真しやかに定説化していた理由と経緯について。

これに関しては、オダギリ氏本人の分析としては、各種プロフィールに「クウガ」の記述がないことや、雑誌等のインタビュー記事でも「クウガ」についてあまり触れていない事が、ファンに誤解されたのではないかということ。

これについては、そういったインタビューに載せるプロフィールは(行数や字数等)限られていることもあり、「クウガ」を載せるとなると、その当時の仕事を全部載せなきゃならなくなるので、敢えて(他の仕事も含めて)載せていないということです。

「クウガ」についても、他の仕事(そのインタビュー当時の)についてのことが中心になるのは当然だし、聞かれもしないのにわざわざ「クウガ」のことを話すこともないでしょうから、そこは当然ですよね。

言い換えれば、「クウガ」に関して聞かれたものに対しては、今回の番組で語られたことと同様のことをちゃんと答えてるし、それは自分も幾つかは確認してるので、それで黒歴史説に結びつけるのは、さすがに気の毒 なんじゃないかと・・・(^^;

因みに、オダギリジョー氏の公式サイト鈍牛倶楽部の、“DATA”の項目には、2000年の出演作として、ちゃんと「仮面ライダークウガ」と、記載されてます。
勿論、今回の件で急遽載せたとかじゃなく、当初からしっかりと載っていましたよ。

もうひとつ、番組のDJであり、当時のチーフプロデューサーでもある“高寺成紀”氏の分析は、客観と主観の両方の視点から見た、かなり的確なものだという印象。

元々オダジョー氏は、特撮番組(特にヒーロー番組系)が好きではないそうで、特にヒーロー物の、ある種の醍醐味でもある“変身ポーズ”や“名乗りの見栄切り”とか、ああいう独特の世界というのが、どうにも苦手で受け入れられなかったらしいんですね。

そんなこともあり、ヒーロー物には絶対出たくなかったし、オーディションも受けたくなかったそうなんですが、半ば事務所命令のように「クウガ」の前年に放送された「救急戦隊ゴーゴーファイブ」のオーディションに出るハメになった際、なんとその会場で
「ヒーロー物なんて出たくありません、変身(ポーズ)なんて、恥ずかしくてできません!」
て言っちゃったそうなんですね。
本人も、さすがに「若気の至りだった」と、苦笑してました(笑)

当然のように、ヒーロー物のオーディションにきてるのに、変身したくないとか、なに言ってるんだコイツはってことになり、オダギリ氏いわく、襟首掴まれて撮み出されたそうです(まぁ、多少この辺りはオダギリが話を“盛ってる”部分もあるでしょうが(笑))

勿論「ゴーゴーファイブ」のオーディションには落ちたのですが(笑)、その1年後、再び受けることになったのが「クウガ」のオーディションで、そこでもオダジョー氏は、言わば“落ちるために”「ゴーゴーファイブ」の時と、同じような態度で臨んだそうなのですが、運命とは皮肉なもので、逆にそれが高寺氏のお眼鏡に適ってしまったそうなんですね(因みに、高寺氏は「ゴーゴーファイブ」の一件は知らなかったそうです)

新しく作られる「仮面ライダー」を、これまでとは全く違う、既存のヒーロー物の概念を“破壊する”ような作品にしたいと思っていた高寺氏にとって、ヒーロー物や特撮物に対し、妙な思い込みのない、むしろ嫌ってすらいるオダギリジョーという俳優は、思い描く新しい主人公像に、ピッタリだったということで
「僕と一緒に(これまでの概念を)壊しましょう!」
と、食らいついて口説き落としたそうで、オダギリ氏もその熱意と、高寺氏の人間的な魅力に絆され、出演を承諾したということです。

この辺りのエピソードも、実は結構ファンの間では広く周知されていることでもあり、また「クウガ」出演後も、「クウガ」以外の特撮物はやはり好きじゃないし、殆ど観ていないということも、かねてからオダギリ氏は各所で明言していることでもあります。

そこが、オダギリジョーの“「クウガ」黒歴史説”の原因のひとつなんじゃないかというのが、高寺氏の分析。

これは高寺氏が、番組放送後の「怪獣ラジオ」のツイッターで触れられてたのですが、特撮ファンというのは、出演した俳優さん達には、作品は勿論のこと、特撮と言うジャンルそのものを、ずっと好きでいてほしいし、未来永劫、常に作品のことを熱く語り続けていてほしいと、願ってしまうもの。

それ自体は、自分も特撮ファンだから凄くよく理解できるけど、でもそれはファンのある種の“エゴ”なのも、確かですよね。

そう言った“エゴ”の部分が、オダギリジョーは特撮が嫌いだから「クウガ」を黒歴史にしていると曲解され、広まってしまった側面もあるのではという、高寺氏の説は、説得力があると思います。

では、当のオダギリジョー自身は、実際のところ「クウガ」をどう思っているのか、どんな気持ちで「クウガ」に出演していたのか、現在の自分にとって「クウガ」という作品は、どんな存在なのかというのも、番組中ではしっかり語られていました。

実際、始まった当初は、なんで(この仕事)引き受けちゃったんだろうな、という気持ちは、正直あったそうです(^^;

しかし、段々と撮影が進む中、高寺氏を始めとするスタッフや、共演者達の“良い作品を作ろう”という熱意に触れ、自分の意識も徐々に変わっていったそうです。

その中で、自分がどうしても“譲れない”部分は、積極的に変えてゆこうという意識にも目覚め、例えば“変身ポーズ”に対して、昭和ライダー的な
「へん~っしん!」
という、独特の“溜め”や“見得”が、どうしても恥ずかしくてやりたくなかった(そのために「ゴーゴーファイブ」のオーディションで暴れた(笑))から、2話の初変身のシーンの時、当時のアクション監督の“金田治”氏に対し
「変身!」
という、短く言い切りつつ、そこにその都度のシーンに合った、五代雄介の“感情”を込めると言う風に変えたいと提案したところ、それが承諾され、以降そのスタイルを貫くことになったそうです。

その後、オダジョー提案の「変身!」は、平成仮面ライダーでは基本スタイルとして定着しましたが、そのことに対し「僕が変えた」という自負を持っているという趣のことも、話されてました(笑)

また、変身した後の、クウガとグロンギ怪人達との“戦闘シーン”のアフレコにおいて、その“命懸けの闘い”を表現しようとするあまり、毎回失神寸前のフラフラになるくらいまで、全身全霊で臨んでいたそうで、当時のアフレコ部屋には、オダジョーがいつ倒れてもいいように、座り込むための“椅子”が用意してあったそうです(笑)

第48話で、ダグバとひたすら殴り合うラストバトル、笑いながら殴るダグバに対し、泣きながら殴る雄介という、ライマックスシーンでは、感極まって、本当に号泣しながらアフレコしていたそうです。

これらのエピソードを聞く限り、嫌だと言う表向きの言葉とは裏腹に、如何にオダギリジョーが「クウガ」という作品に、“五代雄介”という主人公に、真正面から、真面目に、真剣に、取り組んでいたかということが、伺えます。

他にも、当時は自分では上手く出来たと思っていた芝居が、今改めて見直してみると全然出来てなくてビックリとしたり、脚本に書かれている“雄介の笑顔”というのを、どう表現していいか分からず“ただ笑っていた”だけだったものが、雄介のあの無防備で、裏表のない笑顔として、画面の中には映っていたのかもしれないと、当時を振り返りつつ、分析するその言葉は、静かながらも、深い愛情を感じるものでした。

そうして「クウガ」という作品に携わっていく中、いつしかそれは自分のためではなく、一緒に作品を作っているスタッフやキャスト、応援してくれるファンや視聴者のために、この仕事をやり抜くという意識に変わっていったというオダギリ氏は、高寺氏を始めとするスタッフやキャストが、「仮面ライダークウガ」という作品で、何を変えようとしたのか、何を変えたのかが、15年経った今、漸く分かった気がするとも、話していました。

オダギリ氏は、実は今でも特撮物は好きではないそうです。
しかし、自分が携わり、皆と一緒に作り上げた「仮面ライダークウガ」は、作品として尊敬してるし、自分にとっては大切なものだそうです。

特撮は好きではないと、改めて言われてしまうのは、特撮ファンとしては正直寂しいけれど、変に気をつかった社交辞令で、その気もないのに「好きになりました」とか言われるよりはずっといいし、そこを本心で言ってくれるからこそ、「クウガ」が大切な作品という部分も、本心だと思えます。

最後にオダギリジョー氏は
「今後また“五代雄介”を演じる可能性はありますか?」
という質問に対し
「脚本さえよければ、勿論」
と、答えてくれました。

いつか、オダギリジョー演じる、その後の“五代雄介”が見れるかも知れない“希望”が持てたこと。

それが、今回の一番の収穫だった気がします。

その日を楽しみに・・・

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by yaskazu | 2015-11-12 21:33 | 仮面ライダー | Trackback | Comments(0)
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