人造人間再起動・3
「キカイダーREBOOT」の感想、3回目。

もう観てから既に半月以上経ち、どんどん記憶が薄らいでるのですが、この「キカイダーREBOOT」は、久しぶりに色々と記しておきたい作品なので、(私自身が)気が済むまで、チンタラと続けたいと思っており、五十路のオッサンおたくの自己満でよろしければ、お付き合い願えればと。

今回は映画の後半・・・特に、この映画自体にも、また「人造人間キカイダー」という作品を語る上でも、決して外して語る事のできない存在である“ハカイダー”を中心に、語ってみたいと思います。

例によって、ネタバレ全開ですので、未見の方はご注意を・・・

では、本文。



この「キカイダーREBOOT」版のハカイダー、最初にぶっちゃけてしまうと、始めから“ギルハカイダー”として登場します。
サブローでもなければ、光明寺博士でもなく、また雨宮慶太版の「人造人間ハカイダー」のリョウでもない・・・まして「鎧武」とのコラボ回の“戦極さん”でもありません(笑)

それには、この「キカイダーREBOOT」版のハカイダーの、TV版やコミック版、雨宮慶太版といった、今までのどのハカイダーとも違う誕生経緯が、大きく関係しています。

光明寺ノブヒコ博士とギルバート神崎は、昔から“ライバル関係”にあり、ギルバート神崎は光明寺の抜きん出た才能に、常に一歩先を許し、その事に強い嫉妬と憎悪の念を持ってました。

先のエントリーで触れた“ARKプロエクト”において、戦闘能力ではむしろ上回っている、ギルバートの“マリ”ではなく、“良心回路”を搭載した光明寺の“ジロー”の方が、プロジェクトの理念に相応しいとされたことで、その私怨的感情は、決定的なものとなってしまいます。

その“ARKプロエクトが、防衛大臣の陰謀により、名目上は防衛を唱いながら、実質軍事利用を目的とする"DARKプロエクト”に方針が転換されたことを機会に、ギルバート神崎が、自らの理念の正当性と才能を証明するため作っていた、マリを上回る戦闘用アンドロイドを、実用稼働させたのが、本作のハカイダー。

そしてギルバートは、コンピューターの代わりに、生きた人間の脳を搭載することで、真の力を発揮するハカイダーに、自らの脳を移植することで、それらの証明を確固たるものにしようとします。

ハカイダーの実力を見せつけるため、自己判断で勝手に破壊活動を始めたり、ジロー・キカイダーに対しても、TVシリーズのような、与えられた“使命”や“指令”といったものではなく、光明寺の作ったキカイダーをその手で破壊することで、自らの存在や才能を誇示し、光明寺への私怨を晴らすことが目的という、全てがギルバート神崎自身の“意思”に司られるため、文字通りの“ギルハカイダー”ということになります。

しかしそれらの行動は、実はハカイダー内部の“戦闘回路”(TVシリーズでいう“悪魔回路?)が、移植された人間の脳に逆作用し、人間の本能的な破壊衝動を激しく刺激し、行動に移させているらしく、実は人間の心の方が、機械に支配されている可能性も伺えます(この辺りは「鎧武」のコラボ編でも、示唆されてましたね)

その結果、本作のハカイダーは“渋い殺し屋”というより、“イカレた壊し屋”といったイメージが強くなり、まるで破壊活動そのものに悦びを感じてるかのような姿は、ちょっと“頭が悪いヤツ”にも映ってしまい、そういう意味でも“ギルハカイダー”に違いないかなぁと・・・(^▽^;

デザインや造形、アクションや演出といった“視覚的な面”では、それこそ“サブローハカイダー”に迫るくらいカッコイイ(その点だけなら、雨宮版ハカイダーより、少なくとも自分好み)だけに、そこはちょっと残念でした。

ただ、単にキカイダーの破壊といった、与えられた指令に従うのではなく、自らの意思で、胸に抱く“野望”を成し遂げようとする、“アウトロー”としてのハカイダーは、「キカイダー01」で描こうとしていた、ギルハカイダーの本来の姿だったんじゃないかと思うのですよ。
実際「01」初期の、ハカイダー部隊を率いた頃のギルハカイダーは、サブローハカイダーとはまた違った“凄み”や、野性的なカッコよさがありました。

ご存知のように、ギルハカイダーは「01」本編では、途中からは(特にシャドウ編からは)どこをどう間違ったのか“あんな風に”なってしまいましたが(笑)、もし当初の“野望に燃えるアウトロー”としてのギルハカイダーのイメージのまま、最後まで描き切っていれば、この「REBOOT」版ハカイダーに近いものになってたかも知れません。

それ故に、ギルバート神崎自身の人物像やバックボーン・・・
例えば、光明寺博士に私怨や嫉妬の感情を持つ切っ掛けになった、2人の関係性とか、そのドラマ。

本作ではギルバートは、片足が不自由で、少なからずそのことにコンプレックスを感じている様子だけど、その身体になった経緯とか。

それらの様々な要因が、ギルバートの心にどのような“闇”を落とし、マッドサイエンティストと化していったのか、とか・・・

そういったものを、もう少し掘り下げて描けていれば、ハカイダー自身も、もっと魅力的なキャラクターになっていただろうから、それはちょっと勿体無かったかなぁと・・・

とは言え、実際に画面の中で動く姿を見れば、先に掲げた設定や脚本等での“不足部分”ですら、何故か魅力的に思えてしまう、圧倒的な存在感を示しているのは、流石です。

面倒臭い理屈は不要、ハカイダーはその存在自体が、もはや“スター”なんですよね(^^)

他の「キカイダー」の名を冠する数々の作品同様、この「REBOOT」でも、“ハカイダー”の作品におけるウェイトは非常に大きく、映画の後半部分は、事実上ハカイダーに“持っていかれちゃう”印象があるんですが、それらを経て、いよいよクライマックスの、キカイダーとの対決へ、一気に傾れ込んでいきます。

本当は今回のエントリーで、そのキカイダーとハカイダーの対決から、エンディングまでやるつもりだったんですが、予想外に“ハカイダー”に関して長々と書きすぎてしまったので、それはまた改めて、次回に回したいと思います(まだ続くのか?(^^;)

いやまぁ、それだけ自分は“ハカイダー”に関しては、思い入れが一層強いってことで、ご容赦願えればと・・・(^^;

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by yaskazu | 2014-06-16 22:25 | 特撮 | Trackback | Comments(0)
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