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功績と・・・
先日、NHK Eテレで放送された「知恵泉」の、円谷英二の前後編、観ました。

内容的には、古くからのファンには周知の事も多く、そういう意味では特に目新しいものは感じませんでしたが、円谷英二の仕事に対する姿勢とか、人物像を垣間見る“切っ掛け”にはなりそうだし、むしろ若い世代のファンや、これから特撮や映像の世界を目指そうとする人達にとっての“入り口”になればいいかなとは思いました。

ただ、欲を言えば・・・



番組の構成上、円谷英二や円谷プロの残した“功績”にスポットを当てて、そこからなにか“ヒント”を探ろうとすること自体は、悪くはないのですが、その反面、それだけでいいのかな?、という気もしたのも事実。

円谷英二や円谷プロは、その功績と同時に、ある種の“負の財産”も残したのも確かなんですよね。

自分が円谷プロに関して触れる際、幾度となく記してきたことですが、円谷には作品作りのプロはいても、経営面のプロがいなかったということが、生んでしまった悲劇・・・

実際、現在の円谷プロを取り巻く、決して良好とは言えない状況は、その“親族経営”の悪い面が災いした結果だし、金銭感覚や権利関係の管理の甘さが、無用な軋轢(敢えて具体的に言えば、成田亨さんとの関係)を生んだり、海外の映画会社との、裁判沙汰に発展してしまったのも、また事実。

そして、その円谷プロが残してしまった“負の遺産”は、現在の特撮業界そのものの現状にも。少なからず影響してる側面も、あると思うのですよ。

勿論、それを払拭するため、現在の円谷関係者や、業界の皆さんが、日々健闘されてるのも事実ですが、それらが皆上手く噛み合ってるのか、良好に運んでいるかと言えば、正直微妙だと思うのですよ(^^;

これからの若い世代には、この番組で紹介された“功績”の部分だけでなく、一方の“罪過”の部分も同時に学んで、自分たちの夢の実現や、将来に役立ててほしいなと思うのですよ。

いい夢を見続け、カタチにするためには、悪い夢も同様に、平等に見据えて、向き合っていかないと、いずれ潰れてしまうものですから・・・

ま、くたびれたおやぢヲタの、老婆心の戯れ言と受け取っていただければと(笑)

円谷英二の言葉―ゴジラとウルトラマンを作った男の173の金言 (文春文庫)

右田 昌万 / 文藝春秋


by yaskazu | 2014-04-24 23:39 | 特撮 | Trackback | Comments(0)
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