率と質
“視聴質”という概念があるのを、最近になって知りました。

平たく言えば、数字でその番組の価値を決める“視聴率”に対し、番組を観ている人の意見や感想で、その番組の質や人気を量ろうというもの・・・の、ようです。

以下、参考リンク

ビジネス簡単用語集RB 視聴質

テレビ番組への反応をツイートで分析 ビデオリサーチが来年6月提供、米Twitterと協業

上段は、視聴質の用語解説で、比較的分かり易いもの(私基準(^^;)で、下段は視聴率調査の大手“ビデオリサーチ”が、ツイッター社と連動で、ツイッターへの投稿から、番組の人気度や反応を割り出す取り組みを、来年から始めるらしいという記事です。

実際“視聴率”なんてものが、その番組の価値や人気に必ずしも直結しないのは、既に分かり切ってると、多くの人が感じていることだと思います。

にも拘らず、ネットや各メディアは、相変わらず視聴率神話主義が横行していて、低視聴率のドラマや、その出演者を、面白おかしく書き立てるなんてことが、当たり前のように行われてる状況です。



昨日最終回を迎えた「八重の桜」と「安堂ロイド」は、共に視聴率が振るわなかったことが、ネットのニュース等では大々的に取り上げられていましたが、私個人はこの2作、しっかりリアルタイムで視聴し、毎回楽しく拝見させていただきました。

特に「八重の桜」は、1年間通して視聴した大河ドラマは、実に「新選組!」以来でした。

幕末物や新選組物が好きだから、というのも多少はありますが、維新から明治の“激動の時代”を、敗者である会津の視点から描くという試みや、ああいう時代だからこそ生まれ得た、信念を持って生き抜いた強い女性(物語上でいう“ハンサムウーマン”)を主人公にした点に、非常に興味をそそられたからです。

幕末から維新までを描く前半が、非常に濃厚だった分、そのクライマックスである会津戦争をピークに、維新以降を描く後半が些か駆け足気味で、その後半の最も大きなキーパーソンである、オダギリジョー演じる“新島襄”の活躍が、多少端折られてしまった感があるのは少し残念でしたが、スタッフが番組で目指した物は、概ね完走出来たと思います。

大河としては珍しく、主人公の死を持って終了するではなく、まだ半生を残したまま、彼女が諦めずに挑戦し続けるであろうという、余韻を残して幕を閉じる辺りにこそ、作り手側の真の思いが込められているようで、1年間観続けて、本当に良かったと感じました。

「安堂ロイド」もまた、キムタク主演というのも、言ってみれば“足がかり”的な要素でしかなく、日本のTVドラマで、日曜のゴールデンタイムという、日曜朝や深夜以外の時間帯で、ある種の“特撮ヒーロー物”的な、SFアクションに挑戦したというだけでも、評価に値するんじゃないかと。

色々突っ込みどころや不満点もありましたが、日本のTV界の現状を考えれば、及第点にはなっていたと思うし、予想以上に楽しむことができました。

何より、日本でも一般向けの“SFドラマ”が成立する、可能性のような物を残せたのは、収穫だったなと。

「八重の桜」も「安堂ロイド」も、作品としての完成度は高かったと思うし、双方とも“熱心なファン”による支持率も非常に高いようで、それこそが“視聴率”ではなく“視聴質”の高さの表れなのかも知れません。

他にも、今期(10月期)のドラマの中では、視聴率的にはイマイチ振るわなかったものの、個人的には非常にお気に入りだったのが「ダンダリン」

全体的にはライトタッチで、コミカルな演出等もあったものの、労働者の権利が守られてこそ企業が成立するのか、企業が守られてこそ労働者が働けるのかという、相反する理論に正面から切り込んだ、実に硬派で社会派の良質なドラマで、実際真面目に考えさせられました。

「ダンダリン」の場合、裏番組が“かの”「リーガルハイ」だったのも、少なからず影響はあったかもしれませんが、自分は断然「ダンダリン」派だったし、作品としての完成度も、間違いなくこちらの方が高いと断言できます。

余談ですが「リーガルハイ」とくれば、堺雅人主演ということで、ある意味今年を代表する「半沢直樹」にも繋がる訳で、「安堂ロイド」の前番組が「半沢直樹」って辺りも、なんだか因縁めいたものがありますね(^^;

因みに、自分は「リーガルハイ」も「半沢直樹」も、マトモには観てません。
堺雅人は、役者としては嫌いじゃないんですが、両番組とも何か自分の“肌”には合わなかったというのが、その理由。

人気があるから、みんなが観てるから、という理由ではなく、自分が面白いと感じた、観たいと思ったものを選ぶというのが、自分のスタイルですので。

あと、自分は観てなかったので語るのは恐縮なんですが、「夫のカノジョ」というドラマなんかは、散々低視聴率だなんだと叩かれ、遂には打ち切りの憂き目にあった挙げ句、主演の若手女優さんの責任みたいな書かれ方をして、非常に気の毒と言うか、理不尽な印象を持ちました。

「ダンダリン」や「夫のカノジョ」もまた、“この番組が好き”“このドラマ面白いよ”という、熱心なファンがついているという点では、やはり「八重の桜」や「安堂ロイド」と同じで、視聴率イコール人気度、或いは作品の質や完成度ではない証しではないでしょうか。

“視聴質”というものが、将来的に作品の価値や質を決める基準となり、本当に面白いものが残っていくようになれば、優れた作品が憂き目を見るというようなことも、減っていくかもしれませんね。

そんな風に、なってほしいものです。

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by yaskazu | 2013-12-16 23:29 | ドラマ | Trackback | Comments(0)
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