人気ブログランキング | 話題のタグを見る
間と5年後
当ブログでも何度か触れてきた、平成仮面ライダーの小説。

相変わらず「クウガ」のみ、著者のこだわり故の原稿の遅れのため、現時点でも発売未定とのことで、自分でいうのもなんですが、流石に温厚なワタクシめとしましても、少なからず言いたい事はありますが(と言っても、著者や出版社と言うよりは、むしろファンやユーザーに対して、ですが)出版社側は必ず出すと明言されてますので、無事出版された暁まで、喉元に止めておく事にいたしましょう(笑)

とは言え、クウガ以外の小説は、多少のスケジュールの変更はあるものの、順次出版されております。
自分も、全部というのは少々厳しいものもあるので、その中から幾つかを選んで購読することにしていて、今のところ「仮面ライダーW」と「仮面ライダーファイズ」の2冊を読み終えました。



間と5年後_f0124763_23214716.jpg

「W」の方は、テレビシリーズの31〜32話と、33話〜34話の中間に位置する、スピンオフと言うよりは、サイドストーリーといった趣で、本編のメインライターである三条陸氏の手による物語は、正に「W」のファンに対して向けられたプレゼントとも言える、実に“ツボ”を突いたものになってます。

小説オリジナルとして登場する、フィリップ単独変身の“仮面ライダーサイクロン”は、フィギュアーツ化されるという事ですが、それも納得いく活躍ぶりで、特に胸のスリットから取込んだ“風”をエネルギーに転換してパワーを得るとか、大自然の使者っていう呼び名は、オリジナルの仮面ライダー世代は思わずニヤニヤだったり(^^)

ミステリーとしても中々よく練られていて、良質の探偵小説になってると思うし、それ以上に、翔太郎とフィリップが、“W”に変身してバトルに突入するクライマックスは、頭の中でTVや映画の当該シーンの“あのBGM”が流れてるくるようで、これは紛う事なく「仮面ライダーW」の物語だと思わせてくれるものになってます。

ともあれ「仮面ライダーW」のファンであれば、一読の価値のあるものには違いないと思うので、是非御自分の目でお確かめになってください!

・・・・しかし、個人的に一番頭に焼き付いたのが、翔太郎復活の・・・“ネギ”のくだりってのは、どうしてやろうかと(^^;

間と5年後_f0124763_23215469.jpg

一方「ファイズ」の方は、最初読み進めていくうちに感じる、不思議な既読感・・・

実はここれ、以前出版された「仮面ライダーファイズ正伝 ー異形の花々ー」の、加筆改訂版だったということで、後で確認したところ、公式でもしっかりアナウンスされてました(^^;

加筆と言っても、本編中に何か描写が増えてるとかではなく、「異形の花々」のエピローグの後に、更にその“5年後”を加えたものということで、それ以外は全く「異形の花々」そのまま、多分何も変わっていないと思います。

「異形の花々」自体、個人的には嫌いじゃないのですが、少なくとも今回の小説の企画本でもある“講談社こども倶楽部”の名目で出すのは、幾ら本当のターゲットが“大きいお友達”とは言え、流石に憚れるんじゃないかなぁと、余計な心配をしたりするんですけど(^^;

だって、真理は草加にレイプされるし、結花のキャラクターや生い立ちはTVシリーズの数倍は“アレ”だし、その結花は啓太郎の子供妊娠しちゃうし、しかも最期は“アレ”な上に、更にそこからホラーな誕生をする赤ん坊とか・・・

なんと言っても、TVや映画のそれを遥かに凌駕する草加の“クズ”っぷりと、殺すよりムゴいその結末とか、もう良くも悪くも井上敏樹全開フルスロットルな話ですからねぇ・・・・(^▽^;

「異形の花々」が出版された当時も、凄まじい賛否が渦巻いたものですが、今回のウリである"5年後”の物語も、やはり賛否両論、物議を呼ぶものになってると思います。

物語の中心は、真理と、結花と啓太郎の間に生まれた子供“勇介”(このネーミングがまた、色々と意味深な気が(^^;)で、そこに“あの状態”から更に、もっと“えげつない”状況を経て蘇った草加(でも、結局は…(^^;)が絡むカタチで進むのですが、読み方ひとつで、蛇足のようにも受け止められるし、食い足りなかった部分を補填したようにも感じれるというか・・・

正直、自分的には結構“微妙”だったんですが、それらも含め、「W」とは別の意味で、一読する価値はあるかと思います。

そんな訳で・・・

「クウガ」の発売を心待ちししつつ、次に読んでみようかと思ってるのは「響鬼」で、これはいわゆる“前半響鬼”のメインライターで、現在「ウィザード」も担当されてる“きだつよし”さんが書かれてるということで、きださんが「響鬼」で、本来目指してたものはどういうものだったのかを、垣間見えるようなものを期待している次第。

その時はまた、改めて触れてみたいと思います。

小説 仮面ライダーW ~Zを継ぐ者~ (講談社キャラクター文庫)

三条 陸 / 講談社



小説 仮面ライダーファイズ (講談社キャラクター文庫)

井上 敏樹 / 講談社


by yaskazu | 2013-02-28 23:29 | 仮面ライダー | Trackback | Comments(0)
<< いつか、また・・・ 月曜の夜は・・・ >>