銃口
昨夜、大阪で職務質問を受けた暴力団の車と、パトカーがカーチェスになって、最後は警官が拳銃を発砲し、撃たれた組員は死亡するという、まるでドラマみたいな事件があったようで、日本もどんどん物騒になってきたよなぁと感じる次第。

事件の詳細については、現時点では情報が少なく、あまり迂闊な発言はできないとは思うのですが、少なくても(例え相手が暴力団であったとしても)相手が死んでしまった以上、色々と“揉める”でしょうね。

警察官が銃を持つということは、それだけ大きくて、重い責任を背負うということで、だからこそその“力”は、めったやたらと行使されてはいけない訳です。

政治家の持つ権力というのも、そういう意味では、警察官が拳銃を持つのと、意味的に同等の、重くて大きな責任を伴うものだと思うし、ましてそれが国会議員の持つ“国家権力”ともなれば、扱い方を間違えれば、それこそ取り返しのつかない事態になりかねない。

故に、簡単に行使してはならない筈のものだと思ってたのですが・・・



先頃世間を騒がせた、某芸人の親の生活保護の不正受給疑惑に関する件。
ツイッターの方では色々つぶやいたんですが、自分の考えを纏める意味でも、ブログの方でも少し触れてみます。

単刀直入に言えば、自分は件の芸人を庇うつもりは毛頭ないし、同情もしない。
不適切な事があったのは間違いないだろうし、有名人である以上そこを吊るし上げられたり、責められたりするのは、仕方のない事だし、当然の事で、厳然と責任は問われるべきだと思います。

けどね、そこに至る経緯はどうであれ、結果的にその引き金になったのが、国家権力者である某女性国会議員の発言だというのは、どうにも釈然としないと言うか、非常に気持ちの悪いものを感じてしまうのですよ。

確かに非は100%芸人側にある。
けれど彼はそれを認め、反省し、不正と思われる分のお金も返すと明言してる。

にも拘らず、そういう人間を“ああいうカタチ”で、国家権力の名の元に、吊るし上げるというのは、言ってみれば武器も捨てて手を上げて降参してる相手に対し、銃を発砲してるのに等しい行為ではないのか?

もう権力者の力を誇示するための“見せしめ”以外のなにものでもない。

しかも、その上でまだ手を緩めないなんて旨の発言は、そんな状況で被弾して血ぃ流して苦しんでる相手に、トドメに頭ブチ抜くよって言ってるようなもんで、もはや公開処刑。

いくらなんでもそりゃ凶悪すぎるでしょう?(^^;

では、なんでそこまでやらんきゃならかったのか、そこまでやっちゃったのか・・・

この件に対しては、芸人の擁護にまわる人間や、彼の受けた批判以上に、この女性議員に対する批判も沢山集まった訳だけど、それと同等に、彼女の事を「見直した」「よくやった」と、強く支持する人間も沢山表れ、敢えて嫌な言い方をすれば、多くの“信者”を獲得することにもなったと思うのですよ。

そして多分、それが“腹”であり“計算”であり、そして本当の目的。

今の情勢なら、今日明日という事はないにしても、近いうちに必ず解散総選挙はくる。
彼女の所属してる野党政党も、現行の与党政党とは、支持率的には決して多いとは言えない。

だから、例えどんな事でもいいから、少しでも支持率に繋がるような材料が欲しいというのは、時期的にはどの政党も同じでしょう。

そんな中で、“生活保護の不正受給は許しません”なんて、声高らかに歌い上げれば、それだけでかなりの数の支持を得る事が出来るし、それは多分投票にも少なからず影響する。
もしかしたらそれは微々たるものかも知れないけど、その微々たるもので切磋琢磨するのが選挙ってもんでしょう。

某芸人の件は、その為人身御供としては、この上ない材料だったんですよ。

つまりこの件の本質は、芸人の糾弾でもなければ、生活保護制度の見直しの足掛けでもない、次の選挙に向けても布石だってこと。

自分がこの件で感じた、例えようのない“気持ちの悪いもの”の正体は、多分ここにある。

そして、権力者のこういうやり方は、決して話をいい方向には向けさせない。
これで生活保護の不正受給もなくなり、制度も正常化されるだろうなんて思ってる人がいたら、どこまで頭お花畑なんだって、敢えて言ってやる。

むしろ、不正受給者の手口を巧妙化させ、正規の受給者や、本当に手を差し伸べるべき人達に対する、偏見や差別を拡げるだけじゃないかと・・・

そして、権力者がこういうカタチで向けた、権力という名の銃口は、場合によっては何の罪も責任もない人間に、もしかしたら、自分自身に向けられる可能性もあるという事も、考えておいた方がいいかもしれません。

権力とは銃や刀と同じくらいの力を持つ“武器”のようなもの。
だからこそ、それを持つ人間には、その使い方を誤ってほしくないものです。
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by yaskazu | 2012-06-05 22:19 | 社会 | Trackback | Comments(0)
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