ゴーカイジャー最終回
遅ればせながらと言うか、世間では既に次番組「特命戦隊ゴーバスターズ」が始まるという中、ゴーカイジャー最終回の感想です。

近年の戦隊物の中でも、類を見ない“お祭り作品”であり、頂点をも越えた最高の盛り上がりを見せた作品でした。

最初、正しく戦隊版の「仮面ライダーディケイド」なこの作品の一報を聞いた時、正直不安と軽い失望感しか感じなかったんですが、段々とその詳しい概要が分かってくると、これはもしかしたらとんでもない大傑作に化けるんじゃないだろうかという、根拠のない予感や直感みたいなものに変わっていき、その期待と不安が渾然一体となった不思議な感覚は、1年経った今でも、ハッキリと憶えています。

そしてそれは、見事に期待の方に応えるカタチで華開き、稀に見る最高最大のボルテージをもって、気持ちいいまでの有終の美を収める結果になりました。

そこには以前のエントリーに書いたものも含めた、様々な要因が重なり、それらが尽くプラス方向に働いたことで、番組的にも商業的にも、文字通り奇跡的とも思える大成功を収めた作品だったと言えるでしょう。

そんなゴーカイジャーの最終回、稚拙ながらも、少しだけでも語らせていただきます。



海賊戦隊ゴーカイジャー 最終話「さよなら宇宙海賊」脚本:荒川稔久 監督:竹本昇
>圧倒的力の差
前回ラストから続き、凄まじい猛攻でゴーミン、スゴーミン達を一掃し、ダイランドーさんを追いつめたゴーカイジャー達ですが、そこに上空の大艦隊からの総攻撃で、逆にピンチに。

さすがに勢いだけでは、空を覆い尽くすような艦隊には勝ち目はないというか、世の中そんなに甘くないって事ですが、そこを逆転しちゃうのもまた、ヒーロー物の醍醐味ですからね(^^)

>バスコの置き土産
ゴーカイガレオン始め、全ての武器や大いなる力が沈黙した中、バスコの残したフリージョーカーが反撃の鍵になるというのは、概ね予想通りだったけど、それを持ってくるのがナビィってのは、ちょっと驚きでした。

自分は多分、実は生きていたアカレッドとか、最終回に登場が示唆されてた、レジェンド戦隊の誰か(或いは全員)が、フリージョーカーでゴーカイ達に助太刀するような展開かなと思ってたんですが、スタッフはこの作品を、あくまでも“海賊戦隊達”の物語としての着地点を見せたかったようで、それはラストシーンにも表れてるのでが、そこは後述。

これまで一緒に、自分達の求めるお宝を、夢を、共に得るために戦ってきた海賊の仲間達。
ナビィも、そんな仲間の、海賊の立派な一員なんだって事を、自ら示してみせた訳ですが、にしても、よくあの小さい身体で、あんなデカイ船操れたな・・・
実はナビィっが一番万能で最強なんじゃないかしら?(w

>海賊ですから
だからと言って、そのままフリージョーカー一隻で大艦隊敵に回すようなバカ正直をしないのも、海賊戦隊のいいところ。

ジョー、ハカセ、ルカ、アイムの4人がダイランドーさん相手にしてる間、マベちゃんと鎧が突撃隊として、フリージョーカーでギガントフォースに突っ込み、そのままアクドス・ギルのいる艦橋まで突入するという、正に海賊らしい作戦。
しかも、その本当の目的が、ギガントフォースの全砲門を解放して、ザンギャックの艦隊に一斉放火を浴びせる事とは!

まさか自分の艦隊の、しかも皇帝の乗艦してる旗艦から攻撃されるとは思ってなかったであろうザンギャックの艦隊は、おそらく何が起こったか分からないであろうまま、一瞬のうちに全滅という、正に一発大逆転!

そしてその光景を、地上から呆気にとられて見ていたダイランドーさんの、無防備な背後から集中砲火浴びせる地上組達(!)
後からとは卑怯なという、本来なら悪役側に正義側がいう台詞を吐かれた事に対し
「海賊ですから♥」
「そーそー」
って返す、女子2人が素敵すぎる(笑)

本来なら、正義のヒーローとしては掟破りな、ある意味“あるまじき行為”なんだろうけど、海賊という、元々無法者であるヤツらには無関係。
そもそもそれ以上に卑怯で凶悪な力で宇宙を支配してきた、真に倒すべき悪であるザンギャックに、それを言う資格はない訳ですよ。

大義名分では戦わない、正義のヒーローとしてではなく、あくまで自らの力で夢を掴み取り、目的を成し遂げる“宇宙海賊”として、ゴーカイジャーを描き切る。
そんな、作り手側の“心意気”がヒシヒシと伝わってきて、非常に壮快だったし、心躍るシーンでした!

>死ぬ気はないけど命は懸ける
ギガントホース内では、怒り狂ったアクドス・ギルと、マベ&鎧がバトル中、しかし本当の目的は、艦橋内のコンソールを破壊して、ギガントホースを内部から破壊し、船と共にアクドス・ギルを葬る事!

地上組も、激闘の末に変身が解除されても、お構いなしに生身のままでゴーカイガレオンバスターを発射し、反動で全員ひっくり返りながらも、見事ダイランドーを撃破。

共に“海賊”の名に恥じない、ワイルドでダーティーでアウロトーな戦い方だけど、これでこそゴーカイジャーって感じで、嬉しくなってきちゃいます(^^)

ズバーンに豪快チェンジしたハカセも、剣に変形して“イテテテテ”で、まさしく身体はってたしね(笑)

>海賊でも手を出せない大きな力
海賊達もしぶといけど、それ以上に敵もしぶといのは定石で、アクドス・ギル様も簡単には斃れては下さらない模様(^^;

てことで、遂に本当の大詰め、最終決戦になる訳ですが、海賊達が自ら口にしたように、地球にはこれまで何十年に渡って、強大な悪から守り続けてきた34のスーパー戦隊がいた。
そんな地球と、その力を手にしたゴーカイジャーを敵にまわした時点で、言ってみれば全てのスーパー戦隊を相手にしたようなもので、最初からザンギャックには勝ち目はなかった。

しかし、本来それは海賊でも手を出せないような、大きな力でもあった。
自分達は確かにそんな34のスーパー戦隊の力を借りて戦ってきたし、同時に自らも35番目のスーパー戦隊ではあるけど、それ以上に自分達は海賊だと。
だからこそ“気に入らないヤツは力の限りぶっ潰す”という、あくまでも海賊の魂、海賊の信念の元に、キサマを斃すと宣言する辺り、これこそが「海賊戦隊ゴーカイジャー」という作品の、最大の肝になる部分でしょうね。

“レジェンド戦隊”という、最初から“お祭り”である事を宣言していながら、それ以上に、中心となる“海賊達の物語”に、振れのない芯が貫いていたこと。
仮に“レジェンド”という要素がなくて、これまで同様の、単独の戦隊物として作られた作品だったとしても、他のどの作品にも負けないほど、物語も、キャラクターも魅力的で完成度が高かったからこそ、ここまでの作品として、昇華することができたのだと、ここにきて改めて確信しました!

戦隊物の最終回恒例、変身前の若い役者達による、素顔での“名乗りシーン”
自分らにとっては、すでに息子や娘になるような年代の彼らが、この“素顔で(或いは自らスーツを着て)行うこのシーンは、毎年見る度に感慨深いものが胸を焦がします。

そして正に宣言通り、めまぐるしいまでの次から次への“豪快チェンジ”の大盤振る舞い、文字通り地球を守り続けてきた戦隊全てを相手に戦ってるような状態になったアクドス・ギルさんは、その圧倒的な力と、海賊達の命懸けの猛攻の前に、遂に力尽きるのであります。

まぁ、言ってみれば概ね200人分対1人の戦いだから、卑怯と言えば卑怯なんだけど、それ言っちゃ戦隊物そのものが成立しなくなっちゃいますからね(^^;

ここは、どんな困難でも、皆の力を合わせれば、乗り越えていくことが出来るんだって風に解釈するのが、正しい見方かと。

>礼を言われる理由はない
数ヶ月後、皇帝や主立った艦隊を失ったザンギャックは内部分裂して崩壊を始め、大艦隊の攻撃に瓦礫の山と化していた町並みは、次々と復興を進めていて、第1話以来ずっとマベちゃんが“食い損ねてた”因縁のカレー屋も復活し、およそ1年越しにやっと念願のカレーにありつけたマベちゃんの満足げな顔ったら(笑)

あれだけ破壊された街並が、数ヶ月で立ち直るのはフィクションの世界だからかも知れないけど、ここはやっぱりスタッフ達からの“エール”であり、願いだと受け止めるべきでしょう。

マベちゃんの言った
「まったく、この星のヤツらはどいつもこいつもしぶとくて、嬉しくなるぜ」
の言葉に、それは全て集約されている気がします。

そして、ここでまた第1話で登場した園児達と保母さん達も再登場。
地球を守ってくれたヒーローに、お礼を言いたい、サインが欲しいと言うこの人達に対し、自分達はただの宇宙海賊、別に地球を守ってなんかいないって返す辺りが、“粋”でいいね!(^^)
「たまたまお宝探しに立ち寄ったこの星で、邪魔なザンギャックを排除させていただいただけです(^0^)」
って、言葉遣いや物腰は穏やかなれど、内容的にはけっこう“えげつない”事言っちゃってるアイム姫。
先の「海賊ですから」も含め、およそ海賊とは一番縁遠い所にいたはずの彼女が、結局この稼業に一番馴染んじゃったんじゃないかという・・・(^▽^;

礼を言われる理由はない・・・なんて言いながら、去り際に背中でシュッと指立てて挨拶する宇宙海賊達の、なんと清々しい事か!

>君たちの夢を
新たな夢を求めて旅立つ海賊達。
最後に、ゴーカイジャー以外のレンジャーキーを、これはこの星の人間が持つべき物だって返しちゃう辺りで、この作品がこういう“子供向け”として作られたヒーロー物の中で、およそ初めてかもしれない厳然たる“アウトローヒーロー物”であると同時に、現在ではむしろ珍しい“義族物”でもあったんだと、確信しましたね。

自分達の求めるお宝、求める夢は、どんなものか分からないからこそ、どこまでも、どんな事をしてでも追い求めてゆく。
そして手に入れたそのお宝が、自分らが持つべき物ではなければ、本来持つべき物に躊躇なく与えてゆく。

うん、やっぱお前らは、例え自分達がなんと言おうとも、やっぱヒーローだよ!

ここでマベちゃんの見た“アカレッド”の幻影。
解釈のしかたは色々あると思うけど、もしかしたらアカレッドは、本当に最初から幻影で、全ての戦隊の象徴のような存在で、それが折りによって実体化していたんじゃないかというのが、自分的な解釈かな?

レンジャーキーが本来の持ち主の元に返ってゆくエンディングで、また色んなオリジナルの役者さん達が、出演してくださいました。
本当なら全て紹介したいところですが、ただでさえ長い感想が更にバカ長くなるだけでなく、そろそろ私自身の気力も限界にきちゃったもんで・・・(^^;

しかし、最後の最後に、アカレンジャー・海城剛として、誠直也さんが登場したときは、やはり嬉しかったですよ。
去り行くガレオンに向かって
「掴みとれよ、今度は君達の夢を!」
とエールを送り、アカレンジャーになるシーンは、もはや感無量でした。

>全速前進!
新たなお宝は、どうやらザンギャック本星にあるらしい。
そこに向けて、ガレオンの舵を取る宇宙海賊達!

まぁ、この辺りはもしかして春の映画に繋がる部分かもしれないけど、今はそんな下世話な事はいわずに、ヤツらの新しい旅立ちにエールを送りたいと思います。

1年間、楽しい時間を過ごさせてくれて、本当にありがとう、ゴーカイジャー!

そして、スタッフ&キャストのみなさん、お疲れさまでした!!!

PBM! ゴーカイレッド

メディコム・トイ


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by yaskazu | 2012-02-25 22:14 | 特撮 | Trackback | Comments(2)
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Commented by tomoko at 2012-02-26 15:12 x
 >どいつもこいつもしぶとくて・・・
 このセリフ、本当に素晴らしいエールですよね。まだ遅くない、絶対にしぶとく這い上がってやるぞ!って気持ちになれます。なんか嬉しかったです。
Commented by yaskazu at 2012-02-26 20:22
>tomoko様
ね、なんかこっちまで元気分けてもらったみたいな気持ちになれますよね!

ゴーカイジャーは、表立っては言わなかったものの、やはり今の日本、今の状況に対するエールを、番組を通して送っていたように感じます。

それを端的に表したのが、この言葉だったんじゃな愛かなぁと。

うん、頑張んなきゃ!
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