英雄の帰還
先日放送された「海賊戦隊ゴーカイジャー」の第20話、「星獣戦隊ギンガマン」編の「迷いの森」は、このシリーズの売りのひとつでもある、過去作品のオリジナルキャラ&オリジナル俳優さん登場編の中でも、少し前の「激走戦隊カーレンジャー」編の「いまも交通安全」とは、違う意味で(てか、逆の意味でというか(笑))“大いなる力”の意味を描いた、名編だったと思います。

オルジナルの「カーレン」が超変化球の・・・てか“激走”というよりは“暴走”した作品(笑)だったのに対し、オルジナル「ギンガマン」は、超正統派で王道直球のファンタジーで、これが同じ高寺成紀(当時)Pの手がけた作品かと思うほど、“色あい”の異なる作品でした。

もっともこれは、プロデューサー色というよりは、むしろ脚本家色の違いの方が大きかったようで、浦沢義雄ワールド全開だった「カーレン」は、むしろ高寺Pの適当な“さじ加減”が、いい具合にブレーキになって、暴走したまま激突四散するのをギリギリ防いでた印象すらありますからね(^^;

対する「ギンガマン」は、「カーレン」や「メガレン」以上に、、現在の高寺色に近いものを感じる一方、この作品がメインライターデビューとなる“小林靖子”女史の、現在の作品に通じるカラーも既に色濃く表れていて、それが両作品の違いとして表れたのでしょう。

「ゴーカイ」における「カーレン」編は、脚本も監督もキャストもオリジナルの顔ぶれだった事もあり、海賊が猿顔の一般人に番組を完全に乗っ取られるという、正しく“カーレンワールド”フルスロットルな一編(笑)でしたが、今回の「ギンガマン」編は、キャスト以外はオリジナルと同じではないものの、「星獣戦隊ギンガマン」のテーマやメッセージ、特に今回のゲストである“炎の兄弟”に纏わるそれは、しっかりと描かれていたと思います。



例えばそのひとつは、“伝承“或いは“継承”とでもいうものでしょうか。

ヒュウガの持っていた“黒騎士”の力は、元々は別人格であった“黒騎士ブルブラック”のもので、行きがかりとはいえ、力を失っていたブルブラックにその肉体と力を取り込まれ、利用されていながら、復讐心に我を失っているブルブラックを“内側”から諭し、ヒュウガの弟であるリョウマに、自分の亡き弟“クランツ”の姿を重ねあわせ、憎しみの心から解放され、自らを犠牲に地球を救ったブルブラックから、その力と魂を継承したもの。

・・・と、ここまで書いてて、今更の要に気づいたけど、別の人格に肉体と意識を乗っ取られ、結果的にそれが命を救われる事になった“兄”って、同じ小林靖子脚本の作品で、最近もそんなのあった気が・・・(あの“赤い右腕野郎”と、刑事の“お兄ちゃん”が・・・(^^;)

ま、それはいいとして・・・

そして、ヒュウガの弟である“ギンガレッド・リョウマ”も、その称号とギンガマンの証である“星獣剣”は、兄ヒュウガから預かったもの。

実力的にも精神的にも、戦士として既に完成されていて、皆から慕われる人格者でもあったヒュウガが、本来はギンガマンのリーダーとして“ギンガレッド”になるはずだったものが、バルバンの襲撃でヒュウガが生死不明となり、その際にヒュウガから星獣剣を受け渡されたリョウマが、半ば“行きがかり”的にギンガレッドとなった。

その後、ある種“なし崩し”的にギンガレッドとして戦ってきたリョウマは、ヒュウガの帰還に際し、自分よりもギンガレッドに相応しいであろうヒュウガに、星獣剣を返すのではないかと思われたところ、今まで戦ってきて、戦士としての経験も自覚も重ねてきて、何よりも自分自身がこの手で星を守りたいという、強い意志が生まれた。

だから、このまま自分に“ギンガレッド”を続けさせてほしいと、ヒュウガに願い出たところ、ヒュウガは
「それが聞きたかった。
自分に一度でも星獣剣を返そうとしたら、本気で取り上げようと思ってた」

的なことを言い、そこでリョウマこそが真のギンガレッドだと、正式に認められるって展開になるのですが・・・

お気づきかと思いますが、正にコレ、今回の「ゴーカイジャー」における、ヒュウガと鎧のやり取りとリンクしてるんですな。

鎧の場合は少々そこに至るシュチュエーションとか、スタンスとかが違うけど、ヒュウガはつまり、鎧に対して、戦士として必用な“覚悟”とか、“心構え”とか、何よりも“自分が戦いたい”という意思が一番大切であることを伝えたかった。

戦うための力と魂は、そうやって継承されていくという意味では、鎧だけでなく、これまでのスーパー戦隊全ての力を継承した”ゴーカイジャー”達6人全てに当て嵌まる訳で、正にギンガマンで描かれた“継承”という要素を、ゴーカイジャーで再現し、伝えていたと言えるでしょう。

またリョウマの方も、自ら語っているように、仲間のために我が身も顧みずに動き出すゴーカイジャー達の中に、おそらくはかつての“ギンガマン”の仲間達の姿を見たからこそ、“宇宙海賊”であるヤツらを認める気になった訳で、その“仲間”というテーマは、「ギンガマン」のみならず、これまでの戦隊物全ての中で、普遍的に受け継がれてきたことですからね。

“炎の兄弟”を通して、その“ギンガマンの大いなる力”が、しっかり受け渡されたであろうこの「迷いの森」は、「ゴーカイジャー」の中でも、強く心に残る一編に仕上がっていたのは確かだと思います。

因みに、この「迷いの森」が放送された翌日には、CSの東映チャンネルで放送中の“本家”「星獣戦隊ギンガマン」では、正にこの黒騎士と炎の兄弟の間の“継承”が描かれるエピソードの「黒騎士の決意」と「炎の兄弟」が放送されるという、まるで見計らったようなタイミングで、それ故に自分の中では一層盛り上がってしまったという・・・(^^;

最後に、ギンガレッド・リョウマ役の前原一輝氏は、既に芸能界を引退して一般の職業に就いておられたそうですが、この「ゴーカイジャー」に“リョウマとして”出演するため、期間限定で役者の仕事を再開されていたそうで、これが終わった後は、再び一般人に戻られたということです。

前原氏に今度の出演を決意させたきっかけになったのは、他でもない“東日本大震災”だったそうで、被災地で辛い思いをしてるであろう子供達に、ヒーローを演じた人間として、何かできることはないだろうかという想いが、今回の出演に繋がったそうです。

そして、そんな前原氏を“引っ張った”のが、他でもない、黒騎士・ヒュウガ役の小川輝晃氏で、小川氏は震災以降自ら、かつてヒーロー物に携わった役者や関係者に働きかけ、被災地の子供達を応援するツイッターを立ち上げ、活動を続けているのは有名な話で、これには「ガオレンジャー」のガオブラック・酒井一圭や「デカレンジャー」のデカグリーン・センちゃんの伊藤陽佑も関わってるとのこと。

また、前出の前原氏も、それとは別にご自身のツイッターで、この回の放送前後に“ギンガレッド・リョウマ”として、子供達やファンに向けて、メッセージを伝え続けてられました。

ヒーロー物に携わった人達が、“こういうカタチ”であの震災に対して、自分たちのできるアクションを起こしている姿は、その行動自体がリアルに“ヒーロー”に思えて、自分としてはそれがとても嬉く感じるのですよ。

よく、タレントや著名人がこういう行動を起こすことに対し、“売名行為”だとか“偽善”だとか“自己満足”とかいう人もいます。

もしかしたらそうなのかも知れないけど、でも何もしないで人に対して悪態ついたり、不平不満ばかり言ってるような人間に比べれば、遥かに素晴らしいと思うんですけどね。

特にこの方達の場合、メディアを通じて自分らの行動を宣伝してる訳ではないし、これが直接自分らの利益に繋がるという性質のものではない。
ただ、ヒーローを演じた役者として、子供達に何ができるのかという想いから、人知れず起こしてる行動な訳ですから、やはりそれは“ヒーロー”以外のなにものでもないと思うのですよ。

こういう方達が、番組や社会に対し関わり続け、それが連綿と歴史となってその“心”が受け継がれてゆく・・・

本当に、この歳になるまで“ヒーロー物”のファンでいて、良かったと思います(^^)

スーパー戦隊シリーズ 海賊戦隊ゴーカイジャー VOL.1【Blu-ray】

TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)


派手に行くぜ!

星獣戦隊ギンガマン VOL.3 [DVD]

東映ビデオ


「ギンガマン」の中でも屈指の名編「黒騎士の決意」と「炎の兄弟」が収録されているのは、この巻。

海賊戦隊ゴーカイジャー 戦隊ヒーローシリーズ06 ゴーカイシルバー

バンダイ


ヒュウガさん、俺がゴーカシルバーやりたいんです!
[PR]
by yaskazu | 2011-07-16 11:16 | 特撮 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://yaskazu.exblog.jp/tb/16280806
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< もしか会いたくなったなら・・・・ クマ >>