やぶにらみの亡君
タイトルは別に誤字でも打ち間違いでもなく、意図的なもの。

米俳優の“ピーター・フォーク”氏が他界されたとのこと。
この方はもう「刑事コロンボ」以外の何者でもないという印象で、ファンの方には申し訳ないけど、自分は本当にそれ以外の出演作を殆ど・・・というより、全く知りません。

更に申し訳ないことに、その「コロンボ」ですら、マトモに観たものは殆どなく、とても作品を語れるような立場ではありません(てか、語れません)

それでもあの作品のスタイルと、ピーター・フォオーク氏が築き上げたコロンボの“キャラクター”が、後の日本国内の刑事物、推理物作品に与えた影響が非常に大きいことは、そんな私のような人間にも十分に分かります。



一番分かりやすいのは、やっぱり“某古畑”さんでしょうね(←某じゃないだろう(^^;)
作品のスタイルも、古畑のキャラクターも共通点が多く、演じた田村正和氏の個性があそこまで強烈でなければ、ほぼ“まんま”と言ってもいい。

口の悪い人間は簡単に“パクリ”なんて言って片づけちゃう人もいますが、あれは作者である三谷幸喜氏自身が「コロンボ」の大ファンで、もし自分が刑事物を手がけるなら、是非“アレ”をやりたい(やりたかった)と、自ら明言されてたはず。

つまり最初から“意図的”だった訳で、三谷氏が「コロンボ」に敬意を込めたオマージュとかリスペクトという言葉のほうが適切でしょう。

他にも、近年ではおそらく最も人気のある、某刑事ドラマの“某杉下”さん(←だから某じゃないだろうって!)も、容疑者を心理的にどんどん追いつめていく姿は、やはりコロンボを彷彿させるものがあります。

ビジュアル的には、踊る“某青島”君(←だから、某じゃ・・・)のトレードマークのヨレヨレコートも、多分意識的。
青島君の設定自体、刑事ドラマに憧れてた元一般企業の営業マンだから、刑事と言えばコート・・・みたいなキャラ付けとしては、十分考えられること(もっとも、物語上の設定はちゃんとあるんだけどね)

他にも、前出の某杉下さんをはじめ、近年の推理物ドラマではお決まり的によく見かける「最後にひとつだけ」って主人公が“ダメ押し”するのも、「コロンボ」が世に広めた印象は強いですね。

そんな、作品の構造やキャラクターの造形等、本国のアメリかや日本だけでなく、世界的に影響を与えた「刑事コロンボ」は、やはり歴史的エポックメイキングだったと言って差し支えないでしょうね。

日本で“コロンボ”のイメージを強烈に印象づけたのは、例の“ウチのカミさんが・・・”っていう翻訳のセンスと、なんと言っても小池朝雄さんによる絶妙の吹き替えでしょうね。

実のところ、ピーター・フォーク氏の本来の声は、どちらかというと少しトーンの高い“ダミ声”で、小池さんの声とは随分と違ったりするのですが、小池さんの演技の“間”というか、絵面に対する“アテ方”がとても巧く、コロンボのキャラクターを定着させた面は大きいでしょう。

小池さんの没後、コロンボの声は小池さんと声質のよく似た“石田太郎”さんに引き継がれ、石田さんは小池コロンボのイメージを損なうことなく、独自のコロンボを演じられていたと思いますが、それでも小池コロンボのイメージは払拭しきれなかったように感じます。

ま、自分らみたいな人間は、石田太郎さんというと“カリオストロ伯爵”(個人的には「カムイの剣」の天海だったり(^^;)が頭に浮かんでしまうってこともあるんでしょうが、つまりはそれだけ・・・少なくとも日本のファンにとって、小池朝雄氏の声は印象深かったということなのでしょう。

後に字幕版なんかを観た時、ピーター・フォーク本人の声なのに、逆に違和感を感じたり、なんてこともありました。

それって、コロンボに限らず、吹き替え版に馴染んだ場合にはよくあることですね。
野沢那智氏のアラン・ドロンとか、山田康夫氏のクリント・イースト・ウッド辺りはそれだと思うのですが、自分の場合は「サンダーバード」の字幕版を最初に観た時、オープニングの“あの”「Thunderbirds are go!」の声が、実は本国版のトレーシーパパの声だった事実に、ちょっとしたカルチャーショックをおぼえたものです(笑)

なんか、話がまるっきり横道に行っちゃいましたね(^^;

コロンボのあの特徴的な“やぶにらみ”は、ピーター・フォーク氏自身のある事情に起因があることは有名な話。
ここではその詳細には触れませんが、本来ハンデであったはずのものが、結果的に世界的に名を残すキャラクターを生み出すことに一役かった訳ですから、人生わからないものです。

今頃コロンボも、あのやぶにらみと微笑みで、空から下を見守っていることでしょう。

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by yaskazu | 2011-06-27 22:06 | ニュース | Trackback | Comments(0)
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