遠く旅立つ、ひとり・・・  ※追記あり
いいタイトルが思い浮かばなかったので、この一節で。
本当に突然、ある意味この人らしい、旅立ちだったなということで・・・

もう、当ブログに来てくださる方々には周知の事でしょうから、敢えてニュース記事等へのリンクは張りませんが・・・

“あの”西崎義展氏が、事故死というカタチで、召されました。
巷では、そのミステリアスな最期や、波乱の生涯が取沙汰されてますが、正直自分はそれにはさほど興味はないし、あの人のこれまでの人生を、今更穿り返してどうこういう事に、なんの意味も感じない。

ただ、最盛期の頃を思えば、とても寂しい最期だったなとは、思いますが・・・



包み隠さずいえば、私はこの方にはいい感情は持ってません・・・てか、ハッキリ言って嫌いです。
理由は・・・私と同じ時代を生きた、いわゆる“第一世代”と呼ばれる年代のヲタの方なら、察していただけると思います。

しかし、それでもやはり、西崎義展という稀代のプロデューサーの残した功罪は、非常に大きかったと思うし、この人がいなければ、「海のトリトン」や「宇宙戦艦ヤマト」は無かったかもしれない。

「トリトン」と「ヤマト」は、今のオタク文化の起源となった作品であることには間違いありません。
「ヤマト」が無ければ「ガンダム」は無かったろうし、80年代の爆発的なアニメブームも無かったかも知れない。
「ガンダム」と80年代アニメブームが無ければ「エヴァンゲリオン」も無かったし、現在まで連綿と続くオタク文化も無かったか、全く違うものになってたかも知れない。

アニメだけではなく、特撮やコミック等にも「ヤマト」は影響を与え、以降それらは互いに影響しあって各々のジャンルを確立しあい、そこにゲームというメディアも加わり、カオスな発展をし続けたのが、今のオタク文化。

時代の流れに、西崎流のやり方や「ヤマト」という作品が、結果的に取り残されてしまうカタチになったのは皮肉な話ではあるけれど、それでも「ヤマト」は日本のオタク文化と共にあったのも、また事実だと思います。

思えば「ヤマト」を通し、西崎氏は色んな事を教えてくれました。
夢やロマン、何かに夢中になると言う気持、作品の謳い文句である“愛”とか(笑)
それだけでなく、そういうファンの純粋な気持を“食い物”にする、大人の“お金儲け”の構図、作品の裏に見え隠れする、人間同士の“生々しい”部分、夢とはほど遠い現実とか・・・

しかしそれは同時に、大人社会の現実や、経済の成り立ち、人間関係の難しさ等を学ぶ“入り口”にもなったし、それがあったからこそ、いままでヲタを続けながら社会でそれなりに生きて来れたのかも知れません。

そういう意味では、西崎氏は教師であり、反面教師でもあったかも知れません。

最近、特撮やアニメを問わず、私らの世代のオタク達が愛した作品に関わった方が、次々と召されて行き、寂しい思いをしています。
ただ、この人に関して言えば、本当に申し訳ないけど、亡くなった事は気の毒だと思うけど、感慨のようなものは湧かないんですよね。

けど、なにか非常に虚しさというか、やりきれないものが残る。

それは多分、オタク文化の起源になった人が居なくなった事で、私ら元祖オタク世代の過ごして来た時間そのものが、ひとつの終焉を迎えてしまったように感じるから・・・かも知れません。

スイマセン、どうにも上手く気持を纏められませんでした。
なんかこう・・・非常に複雑な気持なんですよね(^^;

最後に、オタキング岡田さんが、非常に興味深い記事を上げておられます。
是非、一読してみてください(と、逃げてみる(^^;)

【社長日記】西崎義展さんのご冥福を祈ります

追記
上に紹介した岡田斗司夫さんの記事を読んで、やはりこの方は妖怪や怪物という類いの、ある種人間離れした存在だったのだと思いました。

自身が妖怪や怪物だからこそ、「宇宙戦艦ヤマト」という化物のような作品を世に出せたのだろうし、それに対する人気やファン心理を逆手に取った商業展開を成功させ、一大ブームメントにまで繋げてしまった。

まだ“オタク”という呼称すら無かった時代に、明らかに今のオタク文化の起源であり、基礎となる商法を確立してしまった訳ですからね。

それが良かったのか、悪かったのかは、私ごときが判断できる事ではありませんが、そのあまりに独自すぎた論法や生き様が、結果的に肝心のファンから心を離れさせる事となり、周りから人がいなくなる事になってしまったのでしょう。

先に書いたように、私はこの人が嫌いです。
本当に、本気で、大嫌いです。

でも、今の現役のオタクの世代にとっては“過去の遺物”でしかないであろうこの人を、この人の“せいで”オタクになってしまった世代の自分らが、それを悼み、見送ってあげるのが、せめてもの情け、ある種の“恩返し”ではないでしょうか。

総統万歳!
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by yaskazu | 2010-11-09 01:08 | 独り言 | Trackback | Comments(4)
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Commented by tomoko at 2010-11-09 12:31 x
 いわゆる第一世代にとってこの方は、なんというかアニメなどがくれる夢とその後ろにある大人の事情の両方を教えてくれた恩人ですよね。ご冥福をお祈りしたいです。
Commented by yaskazu at 2010-11-09 23:12
>tomoko様
なるほど、恩人というのは言い得て妙かもしれませんね。

自分達が趣味として楽しんでいるものも、世の中の経済の流れの一環を担ってる。
それこそ、“愛”に対してでも、先立つものは先ず“お金”。

利権や権利を守るためなら、手段は選ばないとか・・・

そういう、大人になってから、生きて行く上で理解し、覚悟しておかねばならない事を、事前に教えてくれたという意味では、確かに恩人ですね。

こよなく愛した海で召された事が、せめてもの救いでしょうか。
Commented by at 2010-11-10 23:01 x
>この人の“せいで”オタクになってしまった世代
ホントその通りですね!こんな自分に誰がしたと。(爆

なんかこう、ずーっと恨んでいた人が予想外に亡くなってしまったポッカリ感とでもいいましょうか。妙な喪失感がありますね。ご冥福をお祈りします。
Commented by yaskazu at 2010-11-10 23:42
>つ様
>>妙な喪失感
そう、そうなんですよ。
凄く嫌ってた親戚とか、どうしても肌の合わなかった上司とかが、ポックリ逝ってしまったり、失脚したりした時に感じる感覚に近い感じ。

アンタはその程度でくたばるタマじゃないだろうにと言いたいくらいです(^^;
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