大魔神カノン 第15話 感想
このところの猛暑で、もともと暑さには頗る弱い管理人は、マジで体調不良に陥ってしまい、ただでさえ周回遅れな感想もますます遅れ気味。
この15話の感想も、既に関西地区でも16話の放送が終わっってからの後追いになってしまってる事、御理解及びご容赦ください。

てな訳で15話ですが、この回のポイントは、サキとの関係がある種の友情に発展した事や、カノンの“父ちゃん”登場により、カノンが自分自身を改めて見つめ直す事で、彼女自身の物語が加速し始めた事でしょう(この番組基準だけどね(^^;)

では、本題。



自分がかつて、前向きだった頃に作った詞を付けた曲を歌うサキを前に、思わず硬直し、涙を流してしまうカノン。
その理由は、この時点ではまだカノン自身にも分からなかった様ですが、それはサキの歌が魂を打ち振るわす力を持っていたというのは勿論でしょうが、その前向きに、ただひたすらに歌を愛する姿に、かつての自分を重ね合わせ、理屈ではない部分で心が素直に感動してしまったのでしょう。

それでも、いっしょにやりたいというサキの申し出を受け入れれないのは、未だに“いのりうた”をめぐる自らの“わだかまり”が、本能的に拒絶してしまったからではないか?

ここは私の推論ですが、自分自身の心の弱さのせいで歌えなくなった大切な“いのりうた”を、その経緯を知らないまま、メロディーの“本質”だけに純粋に魅せられたサキが、その心のままに歌っていた“TO THE TOP”に、実はカノン自身が心の奥底では感動してしまっていたのではないか。

カノンが拒絶したのは、“いのりうた”を盗られた事ではなく、盗られたと思っていた歌に揺さぶられた自分自身の心で、カノンが“いのりうた”を歌えなくなった理由は、その辺りも大きいのではないか?
そして、だからこそサキの歌を改めて目の前で聞いた時、それを自分自身が受け入れられず、申し入れを断る事しか出来なかった

サキがカノンの態度に対し“逃げている”と言うのは、そういう意味では図星なのですが、それは実はサキ自身も、カノンの中にかつての自分を見ていたからだというのは、後半のシーンで推測できるのですが、その時に改めてサキの申し出をカノンが断るのは、この冒頭シーンとは全く意味合いが違ってきます。

ま、その辺りは改めて後述。

そんなカノンにとって、重要な役割を果たす事になるのが、今回より登場のカノンの“父ちゃん”である“ばろく”さん。
演ずる“渡辺いっけい”さんは、あの独特の飄々としたキャラクターで、“如何にも”な田舎者でクセもので、ちょっと頑固な“オヤジ像”を、とても魅力的に演じてられます。

ム?、娘の名前が“カノン”で、親父の名前が“ばろく”って・・・・もしかして“バロック”?
狙ってるんだろうなぁ・・・・(^^;

この父ちゃん、カノンの本心を見抜いて“イタイところ”を無遠慮にほじくり返して、カノンをげんなりさせるのですが、それは親だからこそ、肉親だからこそできる事。
カノンにとっては、自分の良いところも悪いところも、他人に触れられたくない様な事も、全部知られてしまってる・・・ある意味一番“厄介な相手”だし、加えてあの強引で図々しいキャラで遠慮会釈無く攻めてこられたら、もう反論の仕様がない(笑)

「やろうと思ってるはやらないと同じ」ってのは、こっちの心にもちょっと刺さった(苦笑)

しかしその登場は、これまで断片的には語れたり、タイヘイ達との触れ合いで本来の自分に戻ってきた姿が描かれてきてはいても、何かイマイチ釈然としなかった“カノンが本来は明るくて前向きだった事”や、都会で傷つき人を信じれなくなったという事に、俄に説得力を持たせる事にもなります。

回想シーンで語られた、“都会に夢見た甘ちゃんの田舎娘と、それに反対する頑固親父との喧嘩”という、どこにでもある光景。
自分も若い頃に東京に居たからこそ、今のカノンが都会の人間に怯えてるのが分かる。
お前は変わってしまった、まっすぐ前を向いて歩く事だけが取り柄だったヤツが、立ち止まってしまっては何も残らないという辛辣な言葉が、父親の口から発せられる事で、カノンが本来はどんな娘だったのかというアウトラインが、漸くハッキリしてきた様に思います。

そしてそんな父ちゃんの、親の愛情に裏打ちされた上での、遠慮も気遣いも容赦もない言葉が、カノンにとってはキツめのカンフル剤となり、TVで偶然見たサキの流した涙の意味や、彼女と向き合い、ちゃんと話をする事が、今の自分と向き合う事、延いては、その立ち止まってる場所から歩みだす一歩だと、カノンに気付かせる事になります。

やっぱ、父ちゃんって偉大だな(笑)

因みに、カノンの住んでるアパートの家賃は実は、父ちゃんが払っていた事も判明。
ファミレスのバイトの給料で、あの部屋に住んで、毎日の生活して、大学通ってって、どう考えても無理なんだけど、ドラマだからいいや・・・・で、済まさない辺りは高寺作品らしいこだわり様。
それに、東京での生活が、父ちゃんのスネに頼ってたところが大きいとすると、そりゃあれだけ言いたい放題言われても、カノンも逆らえんわな(笑)

あと、カノンの東京暮らしのバックボーンには“あんちゃん”と呼ばれる人物の存在もあるようで、この人がカノンのお兄さんなのか、或いは親類縁者とか友人とかなのかはまだ分からないけど、果たしてこの“あんちゃん”って人は登場するんでしょうか?(※今日公式HP見たらキャラ紹介が更新されてて、どうやら“お兄さん”でらしいのですが、配役の発表まではなかったので、登場予定はないのかも知れません)

対照的に、今回タイヘイはカノンの心を汲み取る事ができず、力になれなかった事にヘコんでしまうのですが、それはタイヘイのカノンへの思い入れと、優しすぎる性格故・・・なんでしょう。

父ちゃんがカノンにあれだけズケズケ言えるのは、肉親としての愛情あってこそのものですが、時にはああやって思い切って“突き放しちゃう”事も、次のステップに上がるためには必要な事。
タイヘイの優しさや思いやり、“おせっかい”(笑)が、カノンに明るさを取り戻したのは確かだけど、ここからはその優しさに甘えずに、自ら辛い事にも嫌な事にも逃げずに向き合い、乗り越えて行かなければ、先には進めない。

カノンはもうその時期に来ている事を、ちゃんと察していたジュウゾウさんは流石ですが、タイヘイにしてみれば、それは取り残されたみたいで、寂しい事でもあるのでしょう(守谷さんの件もあるしね)

前にイケチヨが言った、カノンとタイヘイは2人で1人から、互いに1人の足で立派に立つ事が、カノンだけでなく、オンバケとしてもちょっと未熟なタイヘイにも大切な事で、もうその時期は近いのかも知れません。

サワモリ達の一行は、“依り代”を次々と替えて大暴れのイパダダと一戦交えるのですが、炎を操る力は古文書にも載っていなかったというもので、ユモンジの活躍でどうにか依り代にされた兄ちゃんから追い出す事には成功したものの、またもや逃亡。
冴来賢人の怨念や憎悪がよほど強いのか、イパダダもどんどん凶悪化しているようで、あまり悠長な事も言ってられなくなってきた模様。

・・・・まぁ、肝心のカノンはかなり悠長な事やってる訳だけど(^^;

それはともかく、タメキチの尻に着いた火を消す時のユモンジの“アレ”は、最初絶対に・・・・だと思ったよなぁ!(笑)

そして、カノンのサキの二度目の対峙シーン。
冒頭でのそれは、サキの方からのものだったのに対し、二度目はカノンの方からのものである事、ここが何気に重要。
今までのカノンは、サキの指摘通り、自分の夢であり目的だったはずの音楽からも、サキという人間からも“逃げていた”事に対し、自ら向き合い、越えようとした行動だから。

そのキッカケになったのは、前記のように“父ちゃん”の言葉も大きいのですが、サキが流した涙の意味が、“TO THE TOP”を歌い続けなければならない事を苦しんでいたからだという事に、カノンも気付いたからなんですね。

そして、サキ自身もかつてカノンと同じように、都会の現実や人間関係に絶望し、音楽をやめようとした事があり、それを救ってくれたのが、幸太郎が演奏していた“いのりうた”のメロディーで、だからこそ“TO THE TOP”はサキにとっても、とても大切な曲な事。
それ故に、その“真実”を知った後に、気持ちが入らないままに歌い続けなければならかった辛さも、サキ自身の口から知る事になります。

大切なのに心を込められなくなった曲を、歌えなくなった苦しみと、歌わなければならない苦しみ。
相反するものの様ではあるけど、その理由は共に起源を同じとするひとつの曲に対する、強い愛情と思い入れ故なんですよね。

同じ苦しみを共有する、言わば“もう1人の自分”である事を互いに分かり合えた時、なにか2人の間には友情らしきものが芽生えた様で、ここは今後ドラマにどう生かされるのか、楽しみですね。

そして互いにそれが理解しあえたからこそ、再び心からの“いのりうた”を歌えるようになるまで、組む事はできないというカノンの言葉を、サキも理解し、受け入れる事ができた。
互いを認めあった上でのものであるから、最初に断った時は意味は全く違ってきます。

更に、元の自分に戻る必要はないじゃないか、今の自分が変わればいいというサキの言葉も、父ちゃんとは違った意味で、カノンの背中を押すことになります。
その為に、今の自分の気持ちを詞にして“いのりうた”につければ、また歌えるようになるんじゃないかという助言は、同じ曲を愛する者、同じ夢を志す者なればこそ言える事で、恐らくここも今後の展開に関わってくるものになるのでしょう。

果たして、カノンはどんな詞をつけ、新しい“いのりうた”を歌うのでしょうか?

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角川映画


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by yaskazu | 2010-07-29 21:59 | 特撮 | Trackback | Comments(0)
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